「流雪溝」と「融雪槽」の違いとは?分かりやすく解釈

「流雪溝」と「融雪槽」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「流雪溝」「融雪槽」の違いを分かりやすく説明していきます。

「流雪溝」とは?

「流雪溝」とは流水を利用することで雪を溶かしながら流し除雪するための排水溝です。

全て人工的な水路を作って整えることもありますし、流す先として自然の河川を流用することもあります。

雪国では積もった雪を除雪しようにも、貯まった雪を溶かすなり他所に移す必要がありますが、それが流水であれば水温で雪を溶かすことができますし、水が流れる力で雪を移動させることができ、一石二鳥です。

当然雪を流すということは流しても問題ない場所まで「流雪溝」を繋げる必要がありますし、設備としては大掛かりなものになります。

雪を流すことの許可も必要になるので、個人で用意できるようなものではありません。

インフラ整備の一環として、国や地方政治の一環として作られるものです。

そのため「流雪溝」があるのは個人宅などではなく、蓋をされた状態で道路脇に雪を入れる口があります。


「融雪槽」とは?

「融雪槽」とは地面に埋め込む形で設置され、その中に雪を落とし入れ、ガスや電気の熱で雪を溶かすという設備です。

底面に加熱用の装置が組み込まれている大きな槽を地面に埋め込み、熱を伝えるため、排水するための管を通し、雪を入れるための投雪口だけが露出するような形で設置されます。

投雪口に雪を投げ入れ、ガスの燃焼や通電により底部から熱を発生させると雪が融解し、ある程度水が溜まったら排水するという仕組みです。

排水は一定の水位になると雨水が流れる排水溝へと流すようにできていることもありますし、強制排水装置で任意に流せるものもあります。

「融雪槽」を配備している公共施設もありますが、個人住宅にも設置できる除雪装置の一つです。


「流雪溝」と「融雪槽」の違い

「流雪溝」「融雪槽」の違いを、分かりやすく解説します。

地下を流れる水を利用して雪を溶かしつつ運搬する除雪機構が「流雪溝」で、地中に埋め込んだ設備で雪を溶かす除雪装置が「融雪槽」です。

「流雪溝」の投雪口は道路脇にありますが、「融雪槽」は庭に埋め込むものなので、投雪口がある場所もも庭です。

「流雪溝」は個人で用意できない公共の設備ですが、「融雪槽」は個人住宅でも利用できます。

「流雪溝」はあくまでも雪を流すものなので、中に雪を溶かすための熱源はありませんが、「融雪槽」は雪を溶かして水を排水する仕組みになっているので、必ず熱源もあります。

また雪や雪解け水がどこを通るかですが、「流雪溝」は道路の下に水路がありそこを通って排雪されますが、「融雪槽」では雪を溶かして水にした後、雨が流れる溝などに雪解け水を流す形で排水します。

まとめ

「流雪溝」「融雪槽」も、地面に設置された投雪口に雪を入れる形になるので、お世話になっていても違いがわからない人もいます。

「流雪溝」は道に積もった雪を道路下の水路から流して雪を運ぶ公共設備で、「融雪槽」は個人宅でも利用できる、庭の雪を集めて入れると溶かしてくれる地中設置の設備だと考えれば、違いが理解しやすいでしょう。