持続可能な社会への関心が高まる中、社会的課題として「食品ロス」と「フードロス」に注目が集まっています。
この2つは具体的にどこが違うのでしょうか。
今回は、「食品ロス」と「フードロス」の違いを解説します。
「食品ロス」とは?
「食品ロス」とは、「食品廃棄物のうち食べられる物の廃棄」を指す言葉です。
「食品ロス」の使い方
食品として流通するものには食べられる可食部と食べられない不可食部が混在しています。
スイカであれば赤い果肉部分は食べられる可食部にあたりますが、種や皮などは食用に適さず食べられない不可食部です。
統計調査で集計される食品廃棄物は可食部と不可食部が混在した数値が報告されます。
農林水産省は食品廃棄物のうち不可食部を除く食べられるのに廃棄されたものを「食品ロス」と定義しています。
「フードロス」とは?
「フードロス」とは、「廃棄された食品」を指す言葉です。
「フードロス」の使い方
世界の食料を管轄する国連食糧農業機関は可食部と不可食部を合わせたすべての食品廃棄物を「フードロス」と定義しています。
食べずに捨てられた食料だけではなく、皮や骨など食べられないために廃棄される部分も含みます。
「食品ロス」と「フードロス」の違い
食品廃棄物のうち活用されずに捨てられた可食部が「食品ロス」、可食部と不可食部を合わせたすべての食品廃棄物が「フードロス」という違いで区別されます。
日本では食べずに捨てられた無駄な食品を「フードロス」と呼ぶことがありますが、食べずに捨てられたものは正しくは「食品ロス」です。
日本では「食品ロス」と「フードロス」の意味を混同しているケースが多いのですが言葉の定義はそれぞれ別物であり、不可食部を含むか含まないかで区別されます。
「食品ロス」の例文
・『食品ロスの削減に取り組む』
・『食品ロスの削減は利益率の向上にも繋がる』
「フードロス」の例文
・『フードロスへの取り組みは世界的に進められている』
・『皮まで調理するとフードロスが減る』
まとめ
「食品ロス」と「フードロス」は同じ意味ではありません。
明確な基準で区別されている言葉なので正しい定義を知ってきちんと使い分けてください。