生物の体が「遺伝子」の情報によって作られていることは周知の事実です。
つまり、「遺伝子」が持つ情報の違いが体や顔などの違いとなって現れてきます。
それでは「DNA」とは何でしょうか。
多くの人は「遺伝子」と「DNA」は同じものだと言うでしょう。
この記事では、「遺伝子」と「DNA」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遺伝子」とは?
「遺伝子」とは親から子へ「遺伝する因子」のことで、英語では「gene」と言います。
「遺伝子は生物の設計図である」と表現されることも多く、人間も含めて全ての生物はこの「遺伝子」によって形作られます。
古くはメンデルによって行われたえんどう豆の形の特徴が受け継がれる条件などを実験で明らかにしたことから始まり、その後の「DNA」の発見によって、大きな進歩を続けて来ました。
「DNA」とは?
「DNA」とは「デオキシリボ核酸」と言う意味の英語「deoxyribonucleic acid」の略で、「遺伝子の本体」とも呼ばれています。
デオキシリボースと呼ばれる糖を含む核酸です。
生物の細胞の中心にある「核」の中にある染色体に存在しています。
A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)と言う塩基が二重螺旋構造を形成したものです。
「遺伝子」と「DNA」の違い
「遺伝子」と「DNA」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は使われるシチュエーションによっては同じ意味の場合もありますが、基本的には違う言葉です。
大きな違いは「遺伝子」が概念であり、「DNA」は物質であるということです。
言い方を換えれば「遺伝子」と言う生物の設計図を形にするために使われているのが「DNA」です。
そして、受け継がれる概念としての「遺伝情報」を目に見える形で記録しているのが「DNA」の塩基配列です。
まとめ
今、全ての生物をその生物たらしめているのは「遺伝子」があるからです。
今では「遺伝子」の情報解析が進んでいて、生物によっては多くの部分が解明されています。
しかし、人間に関しては今でもほとんど分かっていません。
さらに、遺伝子情報を持たないゲノムDNAに関しては何のためのものかも分かっていません。
そう言った意味では、今後も遺伝子やゲノムの研究は続いてゆくことでしょう。