革製品として使用される本革で多いのが「牛革」と「ラム革」です。
このふたつの皮革はどのような地がいがあるのでしょうか。
今回は、「牛革」と「ラム革」の違いについて解説します。
「牛革」とは?
「牛革」とは、「牛の皮を剥いだ後になめしなどの処理を行い素材として使用できる状態にした革」を意味する言葉です。
「牛革」の使い方
「牛革」は素材として使用される皮革の中でも最もポピュラーなもので流通量は圧倒的な大差をつけて1位です。
素材としては丈夫で加工しやすいことから使い勝手がよく、さまざま用途に用いられています。
1頭あたりから取れる量は約2畳分と非常に大きく、一枚の革で大きなものを作れることから馬の鞍など大物の製作に「牛革」は欠かせない素材です。
同じ牛革でも年令や性別により性質は異なりそれぞれ使い分けられています。
子牛の革は柔らかく財布やかばんなどに使われ、年齢を重ねた牛から取れる丈夫な「牛革」は靴底や工業用の革ベルトなど耐久性が求められる用途に用いられます。
なめし方や処理に使う薬剤によっても風合いや手触りが変化します。
どんな革をどのように処理するのかでいろいろな特徴が出ることから同じ「牛革」の製品であってもまた口買う質感に仕上がります。
「ラム革」とは?
「ラム革」とは、「子羊からとった皮を処理した革素材」を意味する言葉です。
「ラム革」の使い方
「ラム革」の「ラム」とは子羊のことです。
具体的に派生後1年以内の羊を指し、それよりも大きく育った羊からとれた革は「シープスキン」と呼ばれます。
「ラム革」は非常に柔らかいのが特徴で皮革特有のゴツゴツした手触りがなくもみほぐせるくらいのクニャクニャとした素材感を有します。
柔らかさのおかげで非常に肌触りが良いことから手袋やブーツ、帽子など身につけるものの中でもフィット感が求められる製品に広く使用されています。
柔らかく肌なじみがいい反面、耐久性はそれほど高くありません。
簡単に傷つくほどではありませんが他の動物からとれた皮革に比べるとかなり繊細な素材であり丈夫さが求められる用途に使われることのない素材です。
「牛革」と「ラム革」の違い
「牛革」と「ラム革」はとれる動物が違います。
牛から取れるのが「牛革」、子羊から取れるのが「ラム革」です。
素材としての最大の違いは「耐久性」です。
「牛革」は耐久性に優れ処理の仕方によっては金属のような固さになりますが、「ラム革」はとても柔らかいので耐久性に劣るという違いがあります。
「牛革」の例文
・『牛革で作られたかばんを購入する』
・『牛革のブーツは丈夫なので長く履き続けられる』
「ラム革」の例文
・『ラム革の手袋は手にフィットするので使いやすい』
・『ラム革は使い込むほど柔らかくなじんでいく』
まとめ
同じ皮革でも「牛革」と「ラム革」では性質がまったく異なります。
それぞれの素材に長所と短所があるので製品の使い方や目的によりふさわしい素材で作られたものを選ぶと長く使い続けられます。