高校に通う受験生にとって、最高の大学といえば今も昔も東京大学でしょう。
伝統と格式を備えるトップオブザトップとして揺るがない地位を確立していますが、実は他の一般的な大学とはかなり違う考え方を持っています。
その一つが「前期課程」の存在です。
この記事では、東京大学の「理科Ⅰ類」と「理科II類」の違いを分かりやすく説明していきます。
東京大学の「理科Ⅰ類」とは?
まず、説明しておかなければならないのは、東京大学の「前期課程」に関してです。
通常の大学は入試の段階から自分が入りたい学部を決めて、その学部の試験を受けて入学するのですが、東京大学では2年間の「前期課程」と呼ばれる期間は皆「教養学部」に属し、3年目から初めてそれぞれの専門学部に進むという制度を持っています。
そのため、入試の時に選択するのは学部ではなく、「科類」と呼ばれる予備的なカテゴリーです。
「科類」は文系、理系それぞれに3つあり、その3つの中で3年目に進む学部に偏りがあるため、「科類」を選択することによってどの学部に進むかがある程度は決まります。
理系の中で有名なのは「理科III類」で、ほとんどの学生が医学部に進みます。
対して「理科I類」の学生は物理、化学系の学部に進みます。
「理科I類」のことを略して「理I(りいち)」とも呼びます。
「理科II類」とは?
東京大学の「前期課程」と「科類」に関しては「理科I類」の項目で説明した通りです。
では、「理II(りに)」こと「理科II類」はどうかといえば、生物学、化学系の学部へ進学生が多い「科類」です。
入試の難易度も「科類」で違い、「理科III類」がトップで、一般的には「理科I類」よりも「理科II類」の方が難易度は低いと言われています。
ただ、「前期課程」の意味を考えると想像できるように、「科類」によって進むことができる学部が決まっているわけではないので、入学時に「理科II類」に入った学生が医学部に進むことも不可能ではありません。
東京大学の「理科Ⅰ類」と「理科II類」の違い
東京大学の「理科Ⅰ類」と「理科II類」の違いを、分かりやすく解説します。
このような「科類」と呼ばれるものは、前述のように理系の学生が学部に入るための前段階として所属するものです。
理系の科類は実際にはI類からIII類までの3つがありますが、大きな違いは、その科類からどの学部に行く生徒が多いのかということです。
簡単に分けると「理科Ⅰ類」は主に物理、科学系の学部が多く、「理科II類」は生物学、化学系の学部が多いという部分です。
結果として「理科Ⅰ類」の学生は計算や方程式を好み、「理科II類」の生徒は実験を好むとも言えます。
まとめ
ここまで、説明してきたように、東京大学は「前期課程」という制度を持っているが故に、学生達はたっぷり時間をかけて、本当に自分のやりたいことを見つけることができます。
考えてみれば、高等学校を卒業したばかりの学生にとって、大学でどんなことが学べるのかという知識など無いのは当然のことで、その意味では、極めて学生の立場に立った制度と言えるでしょう。