「往時」と「往年」の違いとは?分かりやすく解釈

「往時」と「往年」の違いとは?専門用語・業界用語

この記事では、「往時」「往年」の違いを分かりやすく説明していきます。

「往時」とは?

「往時」は、時間が過ぎ去るという意味です。

よって昔を懐かしく思うという文章表現なんかに使用される言葉で、口頭では「往時」という言葉を使用して昔がどうであったかを表現することはありません。

なお、「往時」は、意味においては昔を振り返るとか、時間が過ぎ去るという意味しかないので、この言葉に何かを付け足すことで昔を懐かしく思うという文章表現に作り替えます。


「往年」とは?

「往年」は、栄華を極めたものから見て、時間が過ぎ去るという意味です。

「往年」の場合、重要なポイントは栄華を極めた物から見て時間が過ぎ去っているということで、「往年」は昔はとても偉大だったけど、今はそうでもないという表現をするために使用し、こちらは、口頭でも、文章でも昔はすごかったけど、今はそうでもないという意味で使用します。


「往時」と「往年」の違い

両者の違いは、時間が過ぎ去るという現象を、栄華を極めた人物から見るか、栄華を極めていないものから見るかです。

栄華を極めていない一般の人の場合、「往時」が時間が過ぎ去りどうであるかを述べ、「往年」は、栄華を極めたスターのような人物だった人から時間が過ぎ去ったという違いになります。

「往時」の例文

・『父は、往時を偲び、昔を懐かしんだ』

「往年」の例文

・『往年のスターだった人物は今はもう見る影がない』

まとめ

「往時」という言葉は、時間が過ぎ去るということを感じ取る者が、栄華を極めていない人物なので単に時間が過ぎ去ったという事実のみを表現するワードです。

逆に「往年」は、元々スターだった人物が時代とともに忘れ去られ、今に至るということなので、栄華を極めた人物が没落するという表現で使用することが多いです。

よって、「往年のスター」という言い回しは、以前はスターだったけど、今は違うという意味でかなり失礼な表現と言えます。