「シナリオ」と「ストーリー」の違いとは?分かりやすく解釈

「シナリオ」と「ストーリー」の違い専門用語・業界用語

物語やお話に関する言葉として「シナリオ」「ストーリー」がありますがどこに違いがあるのでしょうか。

今回は、「シナリオ」「ストーリー」の違いを解説します。

「シナリオ」とは?

「シナリオ」とは、「映画や演劇など創作の物語作品における話の流れやセリフを記した脚本」を意味する言葉です。


「シナリオ」の使い方

物語作品を完成させるにはいつどこで何が起き誰がどんなことを話すのかをあらかじめ決めておく必要があります。

話がどんな風に全体的に流れていくのか、どのように動きどんな言葉を口にするのかが決まっていなければ物語は作れません。

作品づくりにおいて話の流れや具体的な言動を定めた物語の設計図に当たるものが「シナリオ」です。

「シナリオ」とは物語のアイデアを実現するために具体的な行動内容などの質がまとめられた脚本であり、参加者がそれに沿って行動することで作家が想定した物語が完成します。

一般的には創作物の客を指す言葉ですが、現実を動かすような筋書きや進行のことを事前に仕組まれたものであるという意味を込めて比喩的に「シナリオ」と表現することもあります。


「ストーリー」とは?

「ストーリー」とは、「物語における始めから終わりまでの流れ」を意味する言葉です。

「ストーリー」の使い方

物語は話が色々な方向に動いていくものですが作中でどのように動きどんな作用を及ぼしどこに向かって話が進んだのか、最初から最後までの展開のことを「ストーリー」といいます。

基本的には映画や小説など初めから終わりまでが完結している物語作品に対して使う表現ですが、大きな流れの一部分を切り出して「ストーリー」にすることもあります。

「ストーリー」は話の流れや物語の展開そのものを意味する言葉なので全体を貫く背骨のような役割です。

話の最初から最後までの流れを意味する言葉ですが、作品によっては途中の選択肢によって展開が変わるなど「ストーリー」が変化したり分析したりする作品も存在します。

ゲーム作品ではプレイヤーの行動や選択によって話の流れが変わるマルチストーリーと呼ばれるシステムを採用したものが多数存在します。

「シナリオ」と「ストーリー」の違い

「シナリオ」が物語を進めていくための筋書きを意味するのに対し、「ストーリー」は物語の最初から最後までの流れを意味します。

「シナリオ」は最初から最後まで流れに沿って進んでいく物語を完成させるための指示書、「ストーリー」は指示書によって完成を目指す物語の流れそのものです。

「シナリオ」の例文

・『映画のシナリオを書き上げる』
・『シナリオ通りに事が運ぶ保証はない』
・『シナリオのセリフを現場の判断で差し替えた』
・『シナリオが完成しないと撮影に入れない』

「ストーリー」の例文

・『映画を見た人にストーリーを教えてもらう』
・『面白い作品だったがストーリーに無理があった』
・『今まで見たこともないストーリー展開だ』
・『凡庸なストーリーで退屈な映画だ』

まとめ

「シナリオ」「ストーリー」はどちらも物語やお話の流れに関わる言葉ですが具体的な意味は全く違います。

それぞれの言葉の意味を正しく理解してふさわしい使い方をしてください。