「キャッシュアウト」と「資金ショート」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「キャッシュアウト」と「資金ショート」の違い金融・経済

この記事では、「キャッシュアウト」「資金ショート」の違いを分かりやすく説明していきます。

「キャッシュアウト」と「資金ショート」の違い

「キャッシュアウト」「資金ショート」の違いについて紹介します。


「キャッシュアウト」と「資金ショート」の使い方の違い

「キャッシュアウト」「ビジネスで現金が手元から流出すること」に使われます。

基本的に「資金繰り表(キャッシュフロー)」の中で予測されるものです。

「資金ショート」は、「ビジネスで手持ちの資金が底を付いてしまうこと」に使われます。

「キャッシュフロー」の分析がしっかりとできてない企業に起きるものです。


「キャッシュアウト」と「資金ショート」の英語表記の違い

「キャッシュアウト」は英語で「cash out」と書きます。

こちらは英語でそのまま使えますが、財務会計用語であり日常会話で使われることはほとんどありません。

“Out accout balanacees is enough to cash out.”

(会社の口座残高はキャッシュアウトしても十分だ)

「資金ショート」は、英語で「short of funds」と書き、「short」「短い」「足りない」という意味です。

“We are short of funds.”

(我社は資金ショートした)

「キャッシュアウト」の意味

「キャッシュアウト」「金融用語で資金の流出」という意味です。

ビジネスで使われる言葉で、会社の資金から払い出したお金を表す言葉です。

「資金」とは、「現金」のことで、会社の場合は「金庫にある現金」「普通預金」「当座預金」のことを言います。

また、手形などすぐに現金化できるものが含まれる場合もあります。

「キャッシュアウト」する原因には「商品の仕入れ代金」「銀行などへの借入金の返済金」「設備投資や有価証券など、固定資産の購入金」などがあります。

「キャッシュアウト」は企業にとって必要なものであり、それですぐに経営が悪化する訳ではありません。

ただし、「現金が出て行くこと」ですので、財務会計がしっかりと管理する必要があります。

一般的な財務会計には「キャッシュフロー」という現金の流れを分析する方法があります。

預金残高と入出金のバランスを予測して、今月末、来月末、3か月後などの現金残高を予測する財務諸表で、こちらの管理がしっかりすることが重要です。

「キャッシュアウト」の使い方

「キャッシュアウト」は、「企業から現金が流出すること」に対して使われます。

大きな金額が出ていくことであり、一般的には商品の仕入れがメインになります。

仕入れにお金を払っても、その分売上があり、売掛金や未収金が回収できればキャッシュフロー上は問題ないのです。

また、「キャッシュアウト」には「株式の売り渡し請求」という意味もあります。

「株式を90%以上保有している主要株主が、他の少数株主に対して株式を売り渡すように請求すること」です。

これにより、少数株主は排除されることになるので、「スクイーズアウト(squeeze out)、絞り出す=締め出す」とも言われます。

ただし、こちらの方はより専門性が高く、日常で使われることはまずありません。

「キャッシュアウト」を使った例文

・『商品の仕入れによりキャッシュアウトが生じた』

・『キャッシュアウトしてもキャッシュフロー上は問題ない』

・『キャッシュアウトしても設備投資する価値は十分ある』

・『今はキャッシュアウトできないので、未払い金の支払期限を遅らせて欲しい』

・『どれ位キャッシュアウトするかもう一度試算するべきだ』

「キャッシュアウト」の類語

「現金支出(げんきんししゅつ)」
現金による支払いのことです。

「キャッシュアウト」の対義語

「キャッシュイン」
資金の流入という意味です。

「未収金の回収」「受取手形の回収」「有価証券の売却」「銀行などからの借り入れ金」などがあります。

「資金ショート」の意味

「資金ショート」「しきんしょーと」と読みます。

意味は「会社で運転資金が不足してしまうこと」です。

手元の現金が不足してしまい、銀行預金が残高不足を起こし、様々な支払いができなくなってしまう状態です。

「資金ショート」が起きる原因として「売上があっても回収されず売掛金として残っている」「借入金の返済額が大きい」「売掛金のや未収金の回収時期や回収率と比較して、買掛金や未払い金の支払い時期が早すぎる」などがあります。

「資金ショート」を起こすと、支払いが滞り、それが原因で企業としての信頼をなくしてしまい、一気に経営が悪化することもあるのです。

「資金ショート」の使い方

「資金ショート」「会社の運転資金が不足した時」に使われます。

「資金ショートする」「資金ショートを起こす」などと使われます。

企業としてはかなり切羽詰まった状態であり、財務会計の上層部が慌てて資金繰りを調整しなければならない状態を表します。

「資金ショート」を使った例文

・『資金ショートを起こして黒字倒産した会社がある』

・『きちんとキャッシュフローを分析しなかったせいで資金ショートした』

・『資金ショートしたくないので支払いはなるべく遅らせたい』

・『未収金の回収率を上げて資金ショートを防ぎたい』

・『資金ショートで役員会議になっている』

「資金ショート」の類語

「火の車(ひのくるま)」

経済状態が極めて苦しいことを言います。

生前に悪行を積んだ亡者を地獄へ運ぶための「火車(かしゃ)」という乗物に由来しています。

「赤字(あかじ)」

収入より支出が多く、損失が出ることを言います。

損失は帳簿上赤字になることに由来しています。

「資金ショート」の対義語

「資金ショート」の対義語はありません。

近い意味の言葉に「資金調達(しきんちょうたつ)」があり、「事業に必要な資金を外部から用立てること」という意味です。

まとめ

今回は「キャッシュアウト」「資金ショート」について紹介しました。

「キャッシュアウト」「現金流出」「資金ショート」「資金不足」と覚えておきましょう。