目的を持たない移動を指す言葉として「徘徊」と「放浪」があります。
この二つの言葉は具体的にどのような違いによって区別されるのでしょうか。
今回は、「徘徊」と「放浪」の違いを解説します。
「徘徊」とは?
「徘徊」とは、「付近をうろつくこと」を意味する言葉です。
「徘徊」の使い方
街の中や家の近くなどある限られた特定の範囲内を目的もなくうろつくさまを指す言葉で、他へ移動することを目的としているわけではなく目的地周辺に居ることだったり何の目的もなかったりなどうろつきそのものを目的としています。
移動目的ではないので目を付けた場所から付かず離れず一定の距離を保って移動したり、思いつくまま適当に歩いたりなど規則性は見られません。
「放浪」とは?
「放浪」とは、「特にあてもなくあちこちをさまようこと」を意味する言葉です。
「放浪」の使い方
特に目的を定めることなく足の向くまま気の向くままあちこち移動することをする様子を表す言葉で、ある程度広い範囲を移動するときに使います。
大きなくくりで言うと「旅」の一形態であり、拠点を定めずさまざまな場所に移動しながら日々を過ごすさまを指す言葉です。
出発した時点で最終的な目的地を決めずとりあえず次に行く場所だけ決めておきその次に行く場所は後になって考える、というような思いつきに近い行き当たりばったりの旅が「放浪」です。
「徘徊」と「放浪」の違い
「徘徊」と「放浪」の違いは「移動範囲」です。
「徘徊」が一定の範囲内を目的もなくうろつくさまを表すのに対し、「放浪」は街から街へあるいは国から国へなどある程度広い範囲を思いつくままにさまよう様子を表します。
「徘徊」の例文
・『不審者が学校の近くを徘徊しているという通報があった』
・『夜の街を徘徊する』
「放浪」の例文
・『世界を放浪する旅に出かける』
・『彼は放浪中なので連絡は取れない』
まとめ
「徘徊」と「放浪」はどちらも目的なくあちこちを移動するさまを表す言葉ですが意味合いは大きく異なります。
意味の違いを知って正しく使い分けてください。