この記事では、「妻問婚」と「婿入婚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「妻問婚」とは?
妻問婚とは、つまどいこんという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事でしょうが、異性を恋慕う事により言い寄る事や男が妻や恋人である女の元へ通うという意味の妻問の漢字に、夫婦の縁を結ぶという意味がある婚の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ妻問婚は、夫婦が結婚した後も同居せずに、夫が妻の家に通う事を表すのです。
「妻問婚」の言葉の使い方
妻問婚は、結婚形式の1種であり、夫が妻となった女性の元に通うという結婚形態に使われる言葉となっています。
日本では古墳時代に、この様な結婚形式が一般的にあったと言われているのです。
更に古代の日本以外にもインドの南部に住むドラヴィダ人や、高句麗といった国でもこの様な形態の結婚は見られました。
ですがあくまでかつて存在していた結婚形式に過ぎないため、現在では歴史上の話としてこの言葉が使用される程度です。
「婿入婚」とは?
婿入婚は、むこいりこんという読み方をすべき言葉となっています。
文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事でしょうが、結婚して妻の家の1員になるとか、夫が初めて妻の実家に行く事といった意味を持つ婿入の文字に、縁組みをするといった意味を有する婚の文字を加える事により完成した言葉です。
以上の事から婿入婚は、婚姻成立の祝いを妻方であげて以後、夫は妻の家に住むか通うかして婚姻生活が営まれる事を示します。
「婿入婚」の言葉の使い方
婿入婚は、結婚成立祝いは嫁方で行い、日常生活を別々に送りながら寝所だけは嫁方の家にあり、婿がそこを訪れるといった日本では古くにあった結婚スタイルに用いられる言葉です。
ただし現在では、婿が嫁の実家に入って同居するスタイルに対して、この婿入婚という言葉が使われています。
「妻問婚」と「婿入婚」の違い
妻問婚と婿入婚の文字表記を並べて見比べれば、妻問と婿入という漢字の違いに気付く事が可能です。
所がその後に続くのは同じ婚の漢字であり、文字通りどちらも結婚形式に関する意味を持つ点がややこしいと言えます。
ただし漢字の違いから表現する意味にも、違いが生まれているのです。
まず妻問婚は結婚後も同居しないで、夫が妻が住む家に通う形態の婚姻の1種となります。
一方の婿入婚は結婚の祝い事等を嫁方で行った上で、婿が嫁方の家にある寝所に通うとい婚姻形態です。
もっとも現在では、婿が嫁の実家に住んで生活を共にする場合に用いられる言葉となっています。
まとめ
2つの言葉はどちらも婚の漢字が使われており、結婚の形を表現する意味を持つ言葉同士です。
ですが婚の前に付く漢字が全然違うため、示す意味には相違点を見出す事が出来ます。
ちなみに妻問婚は日本では古墳時代頃に良く見られた、夫婦が結婚後も同居せずに、夫が妻の家に通う形式を表す言葉です。
対する婿入婚は、元々は結婚成立の祝いを嫁方で行った上で、同居せずに婿が嫁方の家にある寝所に通うという形式の婚姻でした。
とはいえ今では、婿が嫁の実家に引っ越してそこで嫁の家族達と同居する事に対して使用される言葉です。