この記事では、「寂寞」【せきばく】と「寂寥」【せきりょう】との意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「寂寞」とは?意味
人気がなく、静かすぎてひっそりしているため寂しく感じるという意味があるのが「寂寞」【せきばく】です。
「寂寞感」と使うように、ひとりでいることが寂しくて仕方がないといった状況をうまく表せる言葉であり、その苦しみから抜け出したいと思う人の気持ちが伝わります。
また、心が満たされないため切なくなる気持ちを込めて「寂寞の苦しみ」と例えて使うわけです。
「寂寥」とは?意味
かなり虚しさを強く感じて寂しいという気持ちになるさまを表すのが「寂寥」【せきりょう】です。
空虚感にひどく包まれてしまい、何も手につかなくなるほど寂しいと思う気持ちであることを伝えれば、周囲が同情せずにはいられない気持ちになるでしょう。
「寂寥の念」と表現するように、かなり強い孤独感を感じてつらくなるほど寂しいときや、苛まれる【さいなまれる】ほど寂しくて人を頼りたくなるとき使うわけです。
「寂寞」と「寂寥」の違い
どちらも人が寂しいと感じて落ち込んでいるさまを表す言葉ですが、「寂寥」の方がより寂しさが強いさまを伝えられます。
親しい人が亡くなり、孤独な人生を送っている状況下で使われることが多い言葉です。
もう一方の「寂寞」はひっそりと人知れず寂しさに打ちひしがれるといった状況で使う言葉であり、手を止めたとき、ふと寂しく感じるといったときに使われています。
「寂寞」の例文
・『寂寞とした深夜の駅前で佇む私は思わず手をあげてタクシーを停めた』
・『会社から帰宅した私は、暗い部屋の電気をつけると寂寞感に包まれた』
・『離婚してからというもの、食事しているとふいに寂寞の苦しみに襲われた』
「寂寥」の例文
・『みな都会に出てしまい、住む人がほとんどいない田舎の寂寥たる光景が胸に残る』
・『ひとり暮らしの私は、深夜になると寂寥の感に悩まされる』
・『同年代の若者が楽しそうに話している中、自分だけ寂寥に襲われてしまう』
まとめ
どちらも寂しさを感じてつらいという状況を表せる言葉ですが、もう立っていられなくなるほど強い孤独感に包まれたときと、少しだけ寂しいと感じるとき、今の状態をうまく表せる方を選んでみるといいでしょう。