建物に電気を分配するために設置される設備として「分電盤」と「配電盤」があります。
この二つの設備にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「分電盤」と「配電盤」の違いを解説します。
「分電盤」とは?
「分電盤」とは、「電気をコンセントや照明など各部へ送るための分配装置」です。
「分電盤」の使い方
電気を引いている建物なら必ず設置されている設備で、電線から供給される100ボルトの電気を各部屋の照明やコンセントなど末端へと分配して送る役割を担います。
電線から引かれる電気の経路は一本ですが「分電盤」で分配することにより建物内の様々な場所で電気を自由に使えるようになります。
現在設置されている「分電盤」には過剰な電気を検出すると一時的に遮断するブレーカー機能が搭載されており安全装置としても重要な設備です。
「配電盤」とは?
「配電盤」とは、「高圧受電設備で受電した電気を変圧して各所へ電気を分配する設備」です。
「配電盤」の使い方
工場や大型施設など高圧受電設備を備える建物にある設備で、そのままでは利用できない高圧電流を一般の電気製品が利用できる100ボルトもしくは200ボルトに電圧を変えて分配する変圧器の一種です。
電力会社と高圧受電契約を締結している建物にのみ設置されています。
「分電盤」と「配電盤」の違い
「分電盤」と「配電盤」の違いは「変圧」 です。
分電盤は100ボルトで送られてきた電気をそのまま各所へ分配する設備であるのに対し、「配電盤」は数千ボルトの高圧で送られてきた電気を変圧器で100ボルトに変圧して各所へ分配する分配機能付きの変圧器です。
大きな施設では電線で送られてくる高電圧をまず「配電盤」で変圧してから施設各所の電気を管理する「分電盤」へと送電しそこからさらに照明やコンセントなどの末端に電気が送られるというシステムになっています。
まとめ
「分電盤」と「配電盤」は建物に備え付けられている設備なので停電などのトラブルのとき以外はほとんど気にかけるものではありません。
知識として知っておくのは構いませんが、専門知識のない人間がむやみに触るのはトラブルの元なので必要な時以外は余計な手を出さないようにしてください。