この記事では、「エッチング」と「銅版画」の違いを分かりやすく説明していきます。
「エッチング」とは?
「エッチング」とは腐蝕作用を利用した表面加工を指します。
銅板に線を作り腐蝕させることで凹版画を作るために使われる技法です。
まず表面全体に防蝕剤を塗りその上から鉄筆で防蝕剤を削って絵を描き、その後銅板を腐蝕させる薬品に漬けると鉄筆の線に沿って腐蝕します。
そして腐蝕した部分にインクを入れて紙を強く押し当てれば版画の完成です。
くっきりとした線ができ線の強弱も作りやすいこともあり、現在の「銅版画」では最もポピュラーな手法となってます。
「銅版画」とは?
「銅版画」とは銅板に絵を描きインクを付けることで作る版画です。
現在の「銅版画」では「エッチング」を使って線を作る方法が主流であり、「銅版画」と「エッチング」を同じものとして扱うこともあります。
しかし性格に言えば「エッチング」は「銅版画」の一手法でしかなく、銅板を直接削るドライポイントやエングレービングなどの手法で銅板に絵を描くものも「銅版画」です。
「エッチング」と「銅版画」の違い
「エッチング」と「銅版画」の違いを、分かりやすく解説します。
腐蝕作用を利用した表面加工の手法が「エッチング」で、銅板の表面を加工して絵画を刷る版画が「銅版画」です。
「エッチング」は「銅版画」のための銅板加工として最もメジャーな手法ですが、「銅版画」の全てが「エッチング」でできているわけではなく他の手法で作られた「銅版画」も少なからずあります。
また「エッチング」もあくまで加工法を指す言葉でしかなく、「銅版画」以外の目的で行われることもある加工法です。
まとめ
身近に「エッチング」という加工法が使われているのは「銅版画」であり、現在の「銅版画」もほとんどは「エッチング」によって作られていますが、両者は決して同じものではありません。
「エッチング」は表面加工の手法でしかなく、「銅版画」は銅板を使った版画としっかり区別しましょう。