この記事では、「長調」と「短調」の違いを分かりやすく説明していきます。
「長調」とは?
現在、私たちが耳にしている音楽は、そのほとんどが「調性音楽」と呼ばれるものです。
「調性音楽」には大きく分けて2種類あり、その内のひとつが「長調」です。
「長調」は、「長音階」という規則性のある音の流れで作られた音楽を指し、“明るい感じの曲”という印象があります。
例えば、「チューリップ」や「かえるのうた」などは、「長調」の曲です。
「短調」とは?
「調性音楽」の2種類の内、もうひとつが「短調」です。
「短音階」という規則性のある音の流れで作られた音楽で、“暗い感じの曲”という印象があります。
例えば、「さくらさくら」や「小さい秋みつけた」などは、「短調」の曲です。
「長調」と「短調」の違い
「長調」と「短調」には、使用している音階の種類と、それに伴って醸し出される“雰囲気”に違いがあります。
分かりやすく表現すると、明るく元気な内容の曲は「長調」、憂いや哀愁が漂う暗めの曲は「短調」と言えます。
しかし、人の感情の起伏や心理の変化には、「明るい」と「暗い」の他に、言い表せない程数多くの表情や感情が存在します。
ですから、音楽でそのような感情を表現する場合には、「長調だけど悲しげな歌詞や雰囲気」や、「短調だけど前向きな歌詞や雰囲気」といったように、微妙なニュアンスを音楽で表現するためのひと工夫がなされます。
また、ひとつの曲の中で「長調と短調を行ったり来たり」という技法を用いて作曲することで、より複雑で繊細な感情を表現することも出来ます。
そういった意味で、歌謡曲や流行歌の多くは、「長調の失恋ソング」や「短調の慰めや励ましソング」となっていますが、あえて、「長調の元気が出る歌」や「短調の失恋ソング」として構築することで、“ストレートな歌詞と雰囲気”として、聞き手に直接訴えかけてくる力強さを表現することが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「長調」と「短調」は、音楽的な音使いと、聞こえてくる雰囲気や音の響きに違いがあります。
楽器音だけで演奏表現する音楽もあれば、歌詞を乗せて歌う音楽もあり、それぞれに、長調と短調を巧みに用いて音楽を奏で、心の変化や雄大で美しい自然などを表現しています。