最近になって、石油の値段をどうするかという議論の中で、よく登場するのが「opecプラス」というものです。
ニュースなどによれば、今後の石油の生産量をどうするかを決めている組織のようです。
それでは、この「opecプラス」とはどういうものでしょうか。
以前から馴染みのある「opec」や「oapec」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「opec」と「oapec」と「opecプラス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「opec」とは?
「opec」とは、英語の「Organization of the Petroleum Exporting Countries」の略で、日本語では「石油輸出国機構」と呼ばれます。
発足は、1960年という古い組織で、当初はイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5カ国で組織されました。
本部は、加盟国と直接関係がないオーストリアのウィーンに設置されています。
「oapec」とは?
「oapec」とは、英語の「Organization of the Arab Petroleum Exporting Countries」の略で、日本語では「アラブ石油輸出国機構」と言います。
1968年に「opec」とは別の組織としてアラブ諸国の加盟国だけを統括する組織として発足し、現在は10カ国が加盟しています。
基本的には「opec」での決定事項には従うということが決められていて、それは「opec」に加盟していない国に対しても求められます。
「opecプラス」とは?
「opecプラス」とは英語の「opec plus」のことで、前述の「opec」の加盟国に加えて、ロシア、メキシコ、マレーシアなどの「opec」非加盟国が加えられてできた組織です。
元々はアメリカやヨーロッパ諸国の石油消費国が産油国の状況を考えない政策を打ち出してくることへの牽制として組織されました。
現在では、対外的な影響を考えて、将来の石油生産量の決めるための議論も行なっています。
「opec」と「oapec」と「opecプラス」の違い
「opec」と「oapec」と「opecプラス」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは石油産出国を中心にした組織であることは同じですが、そもそも参加国と目的が違います。
「opec」は最も古い組織で、産油国の利益を守るために発足し、イラン、イラク、クウェートなど13カ国が加盟しています。
そして「oapec」は、「opec」とは別にアラブ諸国だけのために作られた組織で、石油事業の促進を目的としています。
最後に「opecプラス」は「opec」加盟国にロシア、メキシコ、マレーシアなどの非加盟国を加えて作られた組織で、目的は産油国と石油消費国の調整です。
まとめ
この記事では、「opec」と「oapec」と「opecプラス」の違いを説明してきました。
これらの組織は同じ国も参加していることもあり、強固な関係を持っています。
特に、産油国と非産油国が両方参加している「opecプラス」は、需要と供給の関係を調整することができる重要な組織として注目されています。
世界の情勢としては、地球温暖化の影響もあり、今後は石油に頼らないという方向に向かっていることは間違いありません。
そんな中でこれらの組織がどう変化して行くのかも注目する必要があります。