字面も意味もそっくりな「顕現」と「顕在」ですが、2語はどのような関係にあるのでしょうか?
この記事では、「顕現」と「顕在」の違いを分かりやすく説明していきます。
「顕現(けんげん)」とは?
「顕現」とは、「はっきりと姿を現すこと」や「はっきりとした形で現れること」を意味する言葉です。
「顕」は「はっきりしている」や「あきらか」、「あらわれる」、「あきらかになる」などの意味を含める漢字です。
したがって、「顕現」は字が示す通り「はっきりとした姿かたちで現れること」を表しています。
「顕在(けんざい)」とは?
「顕在」とは、「はっきりと形にあらわれて存在すること」を意味する言葉です。
「在」は「在(あ)る」とも書くように、「何かがそこにある」や「何かが場所や立場などにいる」などの意味を含める漢字です。
したがって、「顕在」は字が示す通り「はっきりとした姿かたちでそこに存在していること」を表しています。
ちなみに、「顕在」の対義語は「表面にあらわれず、内に潜んで存在していること」を意味する「潜在」になります。
「顕現」と「顕在」の違い
「顕現」は「はっきりと姿かたちを現すこと」や「はっきりとした形で現れること」を指す言葉である一方、「顕在」も「はっきりと形にあらわれて存在すること」を指す言葉です。
同じような意味を指していることから2語は同義語の関係にあると言えますが、用法に若干の違いが見られます。
「顕現」はそのままの形で用いらますが、「顕在」は「顕在化」や「顕在的」という形で用いられることがほとんどです。
「顕現」の例文
・『昔の時代では、異常気象は神や天の怒りが顕現したものと扱われていた』
・『彼は恋人を失った心の苦しみをアートで顕現させた』
「顕在」の例文
・『潜在的だった政治への不満が、内閣の不祥事を糾弾するデモにより顕在化した』
・『顕在的な問題であるにもかかわらず、多くの人たちは見て見ぬふりをしている』
まとめ
・「顕現」とは、「はっきりと姿を現すこと」や「はっきりとした形で現れること」を意味する言葉です。
・「顕在」とは、「はっきりと形にあらわれて存在すること」を意味する言葉です。
・同じような意味を指していることから、2語は同義語の関係に当たると言えます。