「選ぶ」と「選択する」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「選ぶ」と「選択する」の違い生活・教育

この記事では、「選ぶ」「選択する」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「選ぶ」と「選択する」の違い

「選ぶ」「選択する」はどちらも「複数の選択肢の中から抜き取る」の同じ意味を持つ同義語です。

一方、「選ぶ」「柔らかい語感がある和語」の言い方であり、「選択する」のほうは「硬めの語感がある漢語」の言い方であるという違いがあります。

その語感・ニュアンスの違いから、「選ぶ」「日常生活の話し言葉」で使われ、「厳密ではない軽い感覚で一つを抜き取る」の意味を持ちます。

「選択する」「やや硬い印象の書き言葉」で使われ、「選ぶ」と比べると「フォーマルな場面で選ぶこと・適切なものを選ぶこと(適切でないものを捨てること)」を示唆している違いがあります。

また「選ぶ」にある「人をその地位(役職)につける」といった意味は、「選択する」にはありません。


「選ぶ」と「選択する」の使い方の違い

「選ぶ」「日常生活・人との会話の話し言葉」として使われる頻度が高く、「選択する」「フォーマルな文脈・やや硬いニュアンスの書き言葉」として使われやすいという違いがあります。

また「厳密にふさわしいものを選ぶ・適当なものを選んで不適当なものを切り捨てる」の意味合いでは、「選ぶ」よりも「選択する」が使われやすくなります。

逆に「晩ご飯のおかずを選んでください・選ばれし者たちが競い合うオリンピック・好きな色の靴を選びました」のようなフランクな雰囲気の会話や話し言葉では、「選ぶ」を使って「選択する」はまず使わないといった用法の違いを挙げられます。


「選ぶ」と「選択する」の英語表記の違い

「選ぶ」「選択する」は英語では厳密な違いはありませんが、「選ぶ」のカジュアルな語感、「選択する」のフォーマルな語感を考えると次のような使い分けはできます。

「選ぶ」を、英語を使用して表現すると以下になります。

“choose”……複数のモノから選ぶことを意味するもっとも一般的な英単語。

自分の判断や好みに基づいて、複数の選択肢の中から選ぶ。

選ぶ。

“pick”……もっともカジュアルな響き(語感)のある選ぶを意味する英単語。

気楽な選択に対して使われ、重要な物事を選ぶ場合などには使われない英語です。

「選択する」を、英語によって表記すると以下になります。

“select”……複数のモノや人を比較してより良いものを選択すること。

重要な事柄において慎重にどれかを選択すること。

選択を意味する書き言葉として使われることも多い英単語です。

選択する。

“elect”……「選挙で選択する・人を何らかの役職(地位)に選ぶ」といった意味のニュアンスが強い英単語です。

selectと比べると、「選挙・地位」などで人を選択する(人をその地位につける)の意味合いが強くなります。

「選ぶ」の意味

「選ぶ(えらぶ)」とは、「複数のモノ・人の中から、目的に合うものを抜き取ること」を意味しています。

「選ぶ」というのは、「たくさんの対象の中から好み・基準に合うものを取り出す」「大勢の人の中から、ある役職・地位にふさわしい人を選び出すこと」を示している言葉です。

「選ぶ」の使い方

「選ぶ」の言葉は、「複数の物事・人の中から、目的や判断(好み)に応じて一つ(一人)を取り出すこと」を意味して使う使い方になります。

また「選ぶ」の使い方として、「何人かいる人の中から選び出して、ある役職や地位に任じること」の意味でも使用することができます。

例えば、「友達にプレゼントを選びました」「彼女を書記として選びました」などの例文で使用することが可能です。

「選ぶ」を使った例文

・『店員のおすすめよりも自分の好みに合った洋服を選んだほうが後悔しないと思います。』
・『200万円の予算で車を購入する予定ですが、どの車を選ぶかでとても迷っています。』
・『本日のディナーコースはお肉のコースとお魚のコースのどちらかを選ぶことができます。』
・『自分が選んだ人なので、彼が自分を裏切ることはないと信じたかったのかもしれません。』
・『選べる種類や色が多すぎると、逆にどれを選べば良いのか分からなくなってきます。』

「選ぶ」の類語

「選ぶ」の類語には、以下の表現があります。

・『選り分ける(よりわける)』……自分の好み・目的や特定の基準に従って選び取ること。

・『ふるう』……基準に合うものと合わないものを、篩(ふるい)にかけて選抜・選別すること。

・『選出する(せんしゅつする)』……ある地位・役職にふさわしい人を選び出すこと。

「選ぶ」の対義語

「選ぶ」の対義語には、以下の言葉があります。

・『選ばない(えらばない)』……特定の条件や自分の趣味嗜好に沿った選別をしないこと。

・『無分別(むふんべつ)』……何らかの基準・条件によって、あるものと他のものを区別しないこと。

すべてを同じように取り扱って選ばないさま。

「選択」の意味

「選択(せんたく)」とは、「複数の物事・項目の中から、一つを選ぶこと」を意味しています。

「選択」というのは、「たくさんのモノや項目の中から、自分の判断や客観的な基準に合致しているものを選び取ること」を示す言葉です。

「選択」には、「適切なものを選び、不適切なものを切り捨てる」といった意味のニュアンスもあります。

「選択」の使い方

「選択」は、「二つ以上の物事の中から、目的に沿ったものや条件(好み)に合ったものを選ぶこと」を意味して使われます。

「選択」の表現は、「良いものを選んで良くないものは選ばずに切り捨てる」といった取捨のニュアンスでも使われます。

また「選択」は、「やや硬い語感の書き言葉」で使われやすく、「フォーマルなシーンで慎重に選ぶ」の意味合いで使用されやすいのです。

「選択」を使った例文

・『大学時代にはどの専門分野を選択するかで随分と悩みました。』
・『今の幸せな家庭生活を考えると、私の選択に間違いはなかったと胸を張って言えます。』
・『人生のどこかで、何かを選択することで何かを切り捨てていくような状況を経験することになります。』
・『国語のテストでどの解答を選択するかで迷いましたが、最後は直感で決めました。』
・『進学と就職の選択で迷っている高校生がいたら、今やりたい仕事がないのであれば大学に進学することを勧めます。』

「選択」の類語

「選択」の類語には、以下の言葉があります。

・『セレクト』……ある程度重要な問題において、複数の選択肢の中から注意深く選ぶこと。

「選択」の英語表現。

・『選定(せんてい)』……複数の選択項目(多くの候補者)の中から、選んでそれに決めること。

・『取捨(しゅしゃ)』……あるものを選び取って、あるものを捨てること。

「選択」の対義語

「選択」の対義語には、以下の表現があります。

・『除外(じょがい)』……あるものを選択肢から外すこと。

あるモノ・人を選ばずに取り除いて外すこと。

まとめ

「選ぶ」「選択」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「選ぶ」「選択」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい人は、この記事の内容をしっかりと読んでみてください。