「心残り」と「後悔」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「心残り」と「後悔」の違い生活・教育

この記事では、「心残り」「後悔」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「心残り」と「後悔」の違い

「心残り」とは、後に思いを残して気持ちがすっきりしないことです。

「後悔」とは、自分がやったことに対して、後からやらなければよかった、失敗したと思うことです。

どちらの言葉にも、気持ちがすっきりしないという意味が含まれていますが、それぞれの言葉が意味しているものは違います。

「心残り」の場合は、思いを断ち切れない意味合いがあります。

好きな人と別れることになりました。

一方的にふられてしまい、まだあの人への気持ちが残っています。

気持ちを断ち切れていない状態です。

こういったことを指して「心残り」といいます。

「後悔」の場合は、悔しく思うことです。

たとえば、ベルギーに旅行に行ったとします。

ベルギーはチョコレートが有名なので、チョコレート好きならベルギーに行った際には、ぜひとも食べておきたいものです。

しかし、時間の関係でどうしても食べることができませんでした。

後から考えると、時間に無理をしてでも食べておけばよかったと思いました。

食べられなかったことが悔しいのです。

このように失敗したことに対して悔しく思うことが「後悔」です。


「心残り」と「後悔」の使い方の違い

「心残り」は心配、未練、不満などの気持ちが残ってすっきりしないことについて使用をします。

付き合っている人から一方的にふられてしまった場合、ふられた側はまだ未練が残っていることがあります。

そのとき、気持ちがすっきりしないはずです。

このような気持ちを指して使用をします。

「後悔」は後から失敗して悔しく思う気持ちについて使用をします。

ダイエット中であるにもかかわらず、目の前においしいものがあり、食べてしまって体重が増えたとき、食べなければよかったと失敗した気持ちになり、悔しくも感じます。

このような気持ちを指して使用をします。


「心残り」と「後悔」の英語表記の違い

「心残り」は英語で“regret”と表現をします。

「後悔」は英語で、残念に思う気持ちの意味では“regret”、悔い改める気持ちの意味では“repentance”と表現をします。

「心残り」の意味

「心残り」とは、心配、未練、不満などが心に残っていることです。

小さな子どもを持つ親のことで考えてみます。

この親はどうしても、長期的に子どもを親戚に預けなければならない事情がありました。

本当は自分のもとにおいておきたいのですが、どうしてもそれをすることができません。

そして、親子が別れる日、喧嘩をしてしまい、仲直りをすることなく親子が別れました。

この親は、最後に子どもに優しい言葉をかけることができず、喧嘩をしたままになってしまったことに未練や不満を抱いています。

あとに思いが残っている状態です。

あきらめたり、断念したりすることができない、すっきりとしない気持ちが「心残り」です。

「心残り」の使い方

心配、未練、不満など、断ち切れない気持ちのことを指して使用をします。

あとに残る気持ちのことで、現在進行中のことについては使用しないことが一般的です。

あるミュージシャンがライブをしました。

本当はファンと交流をする予定だったのですが、事情により交流することができませんでした。

ファンと交流する予定で、交流できないことはライブの後にミュージシャンに伝えられました。

「心残り」に感じるのは、ライブ中のことではなく、ライブが終わってからのことです。

あとに思いが残ることであり、現在の気持ちについて使用はしません。

「心残り」を使った例文

・『きちんとお別れできなかったのが心残りだ』
・『心残りがないようにして欲しい』
・『まだやりたいことがあったのにできなかったことが心残りだ』
・『心残りがないといえばうそになる』

「心残り」の類語

「残念」が類語です。

あきらめきれないことという意味があります。

「心残り」の対義語

「満足」が対義語です。

思い通りに実現して不平不満がないことという意味があります。

「後悔」の意味

「後悔」とは、自分のやったことややらなかったことに対して、あとから悔しく感じたり、残念に思ったりすることです。

虫歯が痛くて歯科を訪れました。

検査の結果、歯を削って詰め物をしましょうということになりました。

そして、歯を削って詰め物をしてしばらくしたら、また歯が痛くなってしまいました。

歯と詰め物の間で虫歯が進行していたのです。

こうして歯を削ることを繰り返し、歯を失ってしまいました。

最初に検査をしたとき、本来なら削らずに経過を見るような状態だったのですが、患者は知識がなかったために歯科医のいいなりになってしまいました。

後からそのことを知った患者は、あのとき削らなければよかったと悔しく感じました。

こういった気持ちが「後悔」です。

「後悔」という言葉には、あと、時間的にあとという意味を持つ漢字である「後」が使用されているように、後から感じる気持ちのことを指しています。

「後悔」の使い方

悔しい、残念だという気持ちについて使用をします。

何かをしている最中に悔しい、残念だと感じることではなく、後から感じる気持ちのことをいいます。

また、この先悔しく感じたり、残念に思ったりするかもしれないと、未来に感じるであろう気持ちのことにも使用しません。

「後悔」を使った例文

・『後悔しないように精一杯の力を出したい』
・『親を施設に預けたことを後悔している』
・『勉強しなかったことを後悔した』
・『後悔しないようにチェックしておきましょう』

「後悔」の類語

「悔やむ」「悔いる」が類語です。

「悔やむ」には、過ぎてしまったことに対して、悔しく思うという意味があります。

「悔いる」とは、自分のしたことに誤りや失敗があったと反省する気持ちのことです。

「後悔」の対義語

「満足」が対義語です。

心が満ち足りている、十分であるという意味があります。

まとめ

2つの言葉は、後から感じる気持ちの意味が含まれていますが、どのような気持ちなのかという点で意味が違います。

「心残り」は断ち切れない思い、「後悔」は悔しい、残念という気持ちのことです。