「独立」と「孤立」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「独立」と「孤立」の違い生活・教育

この記事では、「独立」「孤立」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「独立」と「孤立」の違い

「独立」には、5つの意味があります。

1つめは、他から離れて別になっていることです。

2つめは、他からの支配を受けないで自分の考えで行動をすることです。

3つめは、自分の力で生活の手段を得て、生活をしていくことです。

4つめは、他からの拘束や干渉を受けずに権利を行使することです。

5つめは、国や団体が支配から解放されて主権を行使できるようになった状態のことです。

「孤立」には、2つの意味があります。

1つめは、一人または一つが他から離れて、繋がりや助けがないことです。

もう一つは、対立するものがないことです。

「独立」にはいくつもの意味がありますが、それらに共通しているのは、他からの支配を受けないということです。

「孤立」と意味が似ているように感じますが、同じ意味なのではありません。

「孤立」の場合は、他から離れていて、繋がりや助けがない状態のことです。

それに対して「孤立」の場合は、他から離れていても、繋がりや助けがないわけではありません。

たとえば、一人暮らしをしている状態は親から「独立」したといえ、親から離れている状態ですが、まったく繋がりがないわけでも、助けを得られないわけでもありません。

親と同じ家に住んでいても、家族から一人だけ離れていて、関係をほとんど持っていない状態なら「孤立」しているといいます。


「独立」と「孤立」の使い方の違い

どちらの言葉にも、他から離れているという意味が含まれていますが、使い方が違います。

他から離れて、それ自身の意志で行動すること、それ自身で生計を営むことについて「独立」を使用します。

他から離れていて、繋がりや助けがないことについて「孤立」を使用します。

同じ家で家族と暮らしていても、一人だけ離れて家族の輪に入れていない状態は「孤立」です。

家族の輪から離れていても、家族から住む場所を提供してもらっており、自分の力で生計を営んでいるわけではありません。

そのため、この場合は「独立」ではなく「孤立」を使用します。


「独立」と「孤立」の英語表記の違い

「独立」は英語で“independence”と表現をします。

「孤立」は英語で“isolation”と表現をします。

「独立」の意味

「独立」には、5つの意味があります。

1つめは、他から離れていて別になっていることです。

家の場合、母屋とそれとは別に離れと呼ばれるものが存在している家庭があります。

母屋は敷地の中にある主となる家のこと、離れは母屋と同じ敷地内にあり、母屋から離れたところに建てられている家のことです。

「独立」には、このような離れ方の意味があります。

2つめは、他からの支配を受けないで自分の意志で行動をすることです。

法に守られている国であれば、人間は誰からの支配も受けない一つの存在だとといえるでしょう。

3つめは、自分の力で生計を営むこと、自分の力で営業をすることです。

ラーメン屋で修行をしていた人のことで考えてみます。

これまで修行をしてきて、一人前にラーメンを作ることができるようになり、自分の店を持ちたいと考えました。

修行をしていた店などから離れて、自分の店を持つことを「独立」といいます。

親から離れて自分自身の力で生計を立てることも意味します。

4つめは、他からの拘束や干渉を受けずに、一人で権限を行使することです。

実際には法律の拘束を受けることがあります。

5つめは、国や団体などが他からの支配から自由になり、主権を行使できるようになることです。

植民地になっていた国が、支配をしていた国から自由になるようなことをいいます。

「独立」の使い方

「独立」にはいくつもの意味がありますが、他から離れて支配を受けないといった意味で使われています。

「独立」して店を持つことも、「独立」して一人暮らしをすることも、他から離れて支配を受けていない状態といえます。

「独立」を使った例文

・『会社からの独立を考える』
・『独立をして店を構える』
・『親から独立をしても近所に住んでいる』
・『トイレとお風呂は独立しています』

「独立」の類語

「自立」「自活」が類語です。

「自立」には、他からの力を借りずに存在することという意味があります。

「自活」とは、他からの援助を受けないで生活をすることです。

「独立」の対義語

「依存」が対義語です。

他に頼って生活をするという意味があります。

「孤立」の意味

「孤立」には、2つの意味があります。

1つめは、他から離れて一人であること、他から離れて助けがないことです。

一つの部屋に大勢の人が集まっていたとします。

その中で、一人だけ大勢の人たちの輪に入って行けない人がいました。

パーティーの場合だと、みんながわいわいと会話をしているのに、一人だけ壁際にぽつんといるような状態です。

このような状態を指して「孤立」といいます。

たとえ周りに多くの人がいても、他の人たちから離れていたり、つながりがない状態なら「孤立」といいます。

近年は、高齢者の「孤立死」が問題視されています。

「孤立死」の定義ははっきりしていませんが、誰にも看取られることがなく、その後に長期間放置されてしまう状態をいいます。

「孤立死」は人間の尊厳にかかわることであり、また遺体が腐敗するなどの問題もあります。

「孤立」のもう一つの意味は、対立するものがないことです。

「対立」とは、反対の立場のもののことです。

「孤立」の使い方

他から離れて一人である状態のことを指して使用します。

一人でいても楽しんでいるのなら、「孤立」とはいわないことが多く、つながりがなく寂しい、ひとりぼっちだという場合に使用することが多くあります。

「孤立」を使った例文

・『土砂崩れによって町が孤立してしまった』
・『クラスの中で孤立している』
・『学校でも家庭でも孤立している』
・『孤立していて寂しい』

「孤立」の類語

「孤独」が類語です。

心を通い合わせられる人がおらず、寂しいことという意味があります。

「孤立」の対義語

「つながり」が対義語です。

関係があることという意味があります。

まとめ

2つの言葉には、他から離れているという意味が含まれていますが、他から離れてどのような状態になっているのかという点で意味が違います。