この記事では、「苛烈」と「苛酷」と「過酷」の違いを分かりやすく説明していきます。
「苛烈」とは?
「苛烈(かれつ)」とは、「甘くない状況で勢い・程度が激しいさま」を意味しています。
「苛烈」の言葉は、「甘くなくて厳しい状況」と「その物事(現象)に勢いがあって激しい様子」といった意味合いを持っているのです。
「程度が並外れて激しい」といった意味のニュアンスから、「苛烈」は「戦い・競争・任務などの状況や条件が非常に厳しくて、(甘くない)激しいやり取りがなされているさま」を示している言葉として理解することができます。
「苛烈」の例文
・『新興国の若者ほど、苛烈な受験競争を勝ち抜かなければ明るい未来がないという強迫観念を持ちやすくなっています』
・『苛烈な戦闘を経験したことのない新兵たちは、周囲の仲間が死んでいる状況を見てパニックに陥りました』
「苛酷」とは?
「苛酷(かこく)」とは、「情けや思いやりがなくて非常にむごいさま」を意味しています。
「苛酷」の表現は、「情け容赦がないこと・慈悲(情け)の心がないさま」と「とてもむごくて厳しいさま」の意味合いを持っています。
「無慈悲で情けがない」のニュアンスから、「苛酷」は「他者の処遇に慈悲がなくて極めて残酷なこと」を意味している言葉になっています。
「苛酷」の例文
・『独裁者による苛酷な弾圧によって、大勢の無実の市民が命を落とすことになりました』
・『苛酷で理不尽な支配から離脱するための反乱や革命が、世界の歴史で何度も繰り返されてきたのです』
「過酷」とは?
「過酷(かこく)」とは、「限度を超えるようなかたちでひどいさま」を意味しています。
「過酷」という言葉は、「限度が過ぎていること」と「非常にひどいさま・きびしいさま」の意味を持っているのです。
「程度が過ぎている」の語感から、「過酷」というのは「ひどすぎたりむごすぎたり(厳しすぎたり)する様子」を意味している言葉になります。
「過酷」の例文
・『過酷な筋肉トレーニングをやりすぎて、逆に上腕二頭筋やアキレス腱を痛めてしまいました』
・『平均的な体力・能力の人にとっては過酷な労働条件ですが、その分報酬も多く設定されています』
「苛烈」と「苛酷」と「過酷」の違い
「苛烈」と「苛酷」と「過酷」の違いを分かりやすく説明します。
「苛酷」と「過酷」は同音異義語ですが、「ひどくて厳しい様子」という非常に近い意味を持っています。
ただし「苛酷」は「苛」の漢字の字義から、「情けの心がない・慈悲深さがない=極めて冷たくてむごい」ということに意味の重点が置かれています。
それに対して「過酷」は「過」の字義によって、「程度が行き過ぎているさま・限度を過ぎているさま=やり過ぎていてひどい」に意味の重点がある違いを挙げられます。
「苛烈」は、「物事・競争的行為の勢いや程度が激しいさま」に意味の中心が置かれている点が異なっています。
まとめ
この記事では、「苛烈」と「苛酷」と「過酷」の意味の違いを分かりやすく説明しましたがいかがでしたか?「苛烈」と「苛酷」と「過酷」の意味の違いについて詳しくリサーチしたい場合は、この記事の解説をチェックしてみてください。