似ているようで、少し意味が異なる「励行」と「徹底」。
この記事では、「励行」と「徹底」の違いを分かりやすく説明していきます。
「励行」とは?
「励行」とは、決められたことや決めたことを、その通りに実行することを指します。
自分ではない誰かが決めた決まり事や自分自身で決めた決まり事などにおいて、その通りに実行する行為が「励行」です。
簡単に言えば「守る」や「従う」、「遵守」と同じです。
決められた事や決めたことを守る。
決められたことや決めたことに従う。
このような行為が「励行」です。
「励行」の使い方
「励行」は、一般的に何を「励行する」のかといった使い方を行います。
例えば、「毎日のウォーキングを励行する」といった場合、毎日、ウォーキングを行うと決めたことを実行する、といった意味になります。
そのほか、「時間励行」などといった言葉もあります。
「徹底」とは?
「徹底」とは、決して中途半端ではなく、一貫して最後まで貫くことを指します。
「徹底」の場合、途中で諦めたりやめてしまうことはありません。
一度、決めたことは最後まで一貫性を持ってやり遂げる行為のみ「徹底」ということができます。
また、「徹底」には、隅々まで行き届くことといった意味もあります。
簡単に言えば、「やり遂げる」、「貫き通す」、「しっかりとやる」、「確実の行う」と同じです。
何があっても、一度、決めたことは最後までやり遂げる。
その点がポイントです。
「徹底」の使い方
「徹底」は、一般的に何を「徹底する」のかといった使い方を行います。
例えば、「手洗いうがいを徹底する」の場合、どんなことがあっても、手洗いうがいを忘れることなく行う、といった意味になります。
そのほか、「徹底抗戦」などといった言葉もあります。
「励行」と「徹底」の違い
「励行」と「徹底」は、同じような行為でも、少し中身が異なります。
「励行」は、一度決めたこと、決められた事をその通りに実行することを意味し、決めたことや決められたことを守る行為を意味します。
それに対し、「徹底」は、一貫してやり抜くことを意味します。
決めたこと、決められたことを実行するのか、最後まで貫き通すのか。
その点にこの言葉の違いがあります。
「励行」の例文
・『同じミスが起こらないように、正しい機械の使い方を社員に励行させる』
・『時間厳守を守れないグループには、時間励行をさせました』
・『毎日のウォーキングを励行するようになって、自然と痩せることができました』
・『夜更かしを止め早寝早起きを励行するようになってから、体の調子が良いです』
「徹底」の例文
・『夫は、自分が気に入らないことがあると相手を徹底的に攻撃する傾向があります』
・『妻の徹底した節約のお陰で、少ない給料でも暮らしていくことができています』
・『幼稚園児に対し、手洗いうがいを徹底させるのは大変です』
・『きれい好きな彼女は、隅々まで毎日徹底的に掃除しています』
まとめ
似たような意味を持つ言葉ですが、使用する場面には違いがあるため、それぞれの言葉の意味に応じた使わけが必要です。