「断然」と「俄然」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「断然」と「俄然」の違い生活・教育

この記事では、「断然」「俄然」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「断然」と「俄然」の違い

自分の気持ちや考え、意思などを強調する際に用いることが多い「断然」「俄然」

そのため、同じような意味として考えている人も多く、その結果、間違った使い方が多い言葉として有名です。

しかし、この「断然」「俄然」には、明確な違いがあり、必ず意味に合わせた使い方が必要となります。

まず、「断然」には、自分の気持ちや考え、態度を明確にする、強調することを表す意味があります。

一方、「俄然」の場合は、突然、今の状態が変わること、突然、起きること、といった意味があり、突然、急に、変わるといった意味となります。

このような意味を知ると、「断然」「俄然」の意味の違いは明確です。

「断然」は、自分の気持ちや考え、態度をはっきりさせる、強調するのに対し、「俄然」は、突然変わる、起きると、まったく違った意味となります。


「断然」と「俄然」の使い方の違い

実際、同じ言葉として使うことができる「断然」「俄然」

例えば、「断然やる気が出た」「俄然やる気が出た」のどちらも使い方に間違いはありません。

しかし、それらの文章が表している意味は異なります。

「断然やる気が出た」の場合、やる気を強調している意味となります。

一方、「俄然やる気が出た」の場合は、何かをきっかけに急にやる気が出たという意味となります。

このように同じ文章でも、「断然」「俄然」によって、その文章が持つ意味は大きく変わってきます。

以上のようにどこを強調するのかによって使い分けが必要な「断然」「俄然」

例えば、「このドラマは、あのドラマより○○、面白い」という文章の場合、○○には「俄然」ではなく「断然」が正しい言葉となります。

「断然」を使用することで、ドラマの面白さを比較することができるのです。

また、「英検を持っていることは、入試に○○有利です」の○○にも、「断然」が入ります。

「断然」を使用することで、入試に対する有利さを強調することができる文章となります。


「断然」と「俄然」の英語表記の違い

「断然」の英語表記は、absolutely、utterly、dead、perfectly、far and away、out and away、by far、unwaveringly、steadfastly、firmと数多くあります。

「断然拒否する」は、refuse flatly

「断然否定する」は、deny something emphaticallyとなります。

「俄然」の英語表記は、 abruptly、suddenly、dead、short、suddenly、all of a sudden、of a sudden、on the spur of the moment、suddenlyと数多くあります。

「断然」の意味

自分の気持ちや考え、態度などを明確にすること、きっぱりと決めること、最後まで押し切りやり遂げること、といった意味を持つ「断然」

「絶対に」「決して」といった意味がある言葉です。

この「断然」には、決して変わらない強い意志が込められており、そのような強い意志が込められているときに使用する言葉となります。

「断然」の使い方

自分の気持ちや考え、態度などを明確にする、決めるといった意味として使用される「断然」

そんな、「断然」の使い方には、「断然お得」「断然おすすめ」「断然反対」など、自分の気持ちや考えを明確にする表現のほか、並外れた程度といった意味では、「断然、こちらのほうが美味しい」「断然あり得ない」などといった使い方があります。

「断然」を使った例文

・『私は、「断然お得」という言葉に弱い。』

・『私は、猫より断然、犬派です。』

・『今利用しているスマホのキャリアより、他社のキャリアの方が断然、安いと聞き、乗り換えることを検討することにしました。』

・『私の友達は、その辺のお笑い芸人より断然、面白いと思います。』

「断然」の類語

徹底したという意味の「断然」の類語には、すっかり、徹底的に、完全に、大いにがあり、断固たる決心という意味としては、聢と、がっしり、断乎、しっかり、聢り、かちっと、断固、牢として、確りなどがあります。

「断然」の対義語

「断然」の対義語には、明確なものはありません。

しいて言えば、「曖昧」「漠然」が対義語として挙げられます。

「曖昧」には、ものごとがはっきりしない、態度がはっきりしない、といった意味があり、「漠然」には、はっきりとしない、ぼんやりとしている、といった意味があります。

「俄然」の意味

突然、状態が変化する、今までの状態と急に変わる、ガラリと大きく変わる、といった意味を持つ「俄然」

「俄然」には、突然、何かが起こり、また、何かをきっかけに今までとは大きく変わるといった意味があり、「俄然」の後には、それまでとは異なる反対の状態の言葉が付くこととなります。

また、「俄然」には、にわかにといった意味もあります。

「俄然」の使い方

突然、状態が変化するといった意味を持つ「俄然」

使い方には、「俄然やる気が出た」「俄然元気が出た」「俄然強気になった」など、今まではやる気がなかった、元気がなかった、弱気だったことに対し、やる気が出た、元気が出た、強気になった、と突然、状態が変化したことを表現する際に使用されることとなります。

「俄然」を使った例文

・『私は、無理だと言われれば言われるほど、俄然やる気が出るタイプです。』

・『好きな彼女から、「頑張って」と言われ、俄然やる気がでました。』

・『漫画を読んで、俄然、野球部に入りたいと思うようになった。』

・『両親の声援によって、俄然勇気が湧いてきました。』

「俄然」の類語

思いがけないといった意味の類語として、ついと、つと、急激、俄に、行成り、不図、突として、忽ち、ぱっと、急、やにわになど。

衝動といった意味として、突然、不意に、頓に、突如、行成、直と、ふいと、急に、いきなりなどがあります。

「俄然」の対義語

「俄然」には明確な対義語はありません。

しいて言えば、「依然」「平板」です。

「依然」には、元のままといった意味があり、「平板」には、変化に乏しいといった意味があります。

まとめ

以上のような違いがある「断然」「俄然」

「断然」には、強調する、強い意志、態度といった意味があり、「俄然」には、急な変化といった意味となるため、まったく、違う意味を持つ言葉となります。