この記事では、「全力」と「本気」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「全力」と「本気」の違い
「全力」とは、その人が持っている限りの力のことです。
「本気」とは、まじめな気持ち、真剣な気持ちのことです。
「受験勉強に全力を傾ける」「受験勉強に本気で取り組む」のように、同じよう場面で使用される言葉なので、同じ意味を持っているように感じますが、それぞれの言葉が持っている意味は違います。
「全力」は力についての言葉です。
ちからという意味を持つ漢字である「力」が使用されていることからも、そのことがわかります。
中途半端な力ではなく、持っているすべての力という意味になります。
「本気」は気持ちについての言葉です。
こころの働き、意識という意味を持つ漢字である「気」という漢字が使用されていることからも、そのことがわかります。
軽々しい気持ちのことではなく、まじめ・真剣な気持ちという意味になります。
「全力」と「本気」の使い方の違い
「全力」は、力に関係することに使用をします。
その人が持っている力の限り、持っているありったけの力という意味です。
適当に力を抜くことについては使用しません。
「本気」は、気持ちに関係することに使用をします。
いい加減なところがない気持の意味です。
適当な気持ち、真剣さが足りない気持ちについては使用しません。
「全力」と「本気」は、同じような場面で使用されています。
受験のことで考えてみると、「受験勉強に全力を傾ける」や「受験勉強に本気で取り組む」ということがあります。
「受験勉強に全力を傾ける」とは、持っている力の限りを受験のための勉強に注ぎ込むという意味になります。
「受験勉強に本気で取り組む」とは、まじめに受験勉強をする、真剣に勉強に取り組むという意味になります。
同じような事柄に使用される言葉ですが、「全力」は力に焦点を当てており、「本気」は気持ちに焦点を当てています。
「全力」と「本気」の英語表記の違い
「全力」は英語で“all one’s power”や“full power”と表現をします。
「本気」は英語で“seriousness”や“earnestness”と表現をします。
「全力」の意味
「全力」とは、すべての力、持っている限りの力のことです。
会社全体の力、学校全体の力など総体での力のことではなく、個人の持っている限りの力のことを指しています。
短距離走の試合で、この試合に勝てば優勝するというとき、選手たちは持っている限りの力を出すことでしょう。
試合には実力のある人たちが集まっており、持っている力の一部しか使わなかった、優勝することは難しいです。
持っている限りの力を出して走れば、その走りは「全力」で行ったといえます。
大学入試のための試験を受ける日、これまで勉強してきたことの持っているすべての力を出すはずです。
ここですべての力を出さなければ、受験に合格できないかもしれません。
長い期間をかけて勉強してきた力をすべて出し切ることでしょう。
これも「全力」だといえます。
「全力」は持っている力の一部のことではなく、個人がもっているすべての力のことです。
「全力」の使い方
持っている力の全部について使用をします。
複数のものが集まったときのすべての力ではなく、個人のすべての力のことをいいます。
力は数値として測れるものではないので、「全力」は主観によるもののことが多いです。
本人は「全力」で走っているつもりでも、周囲の人から見ると「全力」ではないように見えることがあります。
常に「全力」を出していると疲れます。
たとえば、学校の勉強でいつも「全力」を出していて、いつも100点を狙っていては、精神的な負担が大きいことでしょう。
いつもいつも「全力」でいつづけることは難しいので、頻繁に使うものではありません。
「全力」を使った例文
・『全力で駆け抜ける』
・『それがおまえの全力なのか』
・『全力で遊ぶ犬がかわいい』
・『全力で応援します』
「全力」の類語
「総力」が類語です。
総体としての力という意味があります。
「全力」の対義語
「手加減」が対義語です。
相手や状況に応じて、力の加減を抜くという意味があります。
「本気」の意味
「本気」とは、まじめな気持ち、真剣な気持ちのことです。
大学入学を考えている人は、真剣に勉強に取り組んでいことでしょう。
自分の学力よりも大幅に偏差値の低い大学であれば、真剣に勉強をしなくても入れる可能性はあるかもしれませんが、上を目指すのであれば真剣でないと入学は難しいです。
勉強に取り組んでいるとき、普段はゲームをやっていたのにやめたり、テレビを見る時間を減らしたりなどしていることでしょう。
勉強に対して真剣な気持ちを持っているからこその行動です。
大学入学のための勉強をしていた人が感じていたような、あの気持が「本気」です。
元プロ野球選手のイチローは、まじめな気持ちで野球の練習に取り組んでいたはずです。
いい加減なところがありません。
プロになることを考えていない人と、プロを目指す人では、まじめさが違います。
少年野球を行っている子どもたちを見ても、野球に真剣な気持ちを持っている子もいれば、そうでない子もいます。
いい加減なところがない気持ちが「本気」です。
「本気」の使い方
いい加減さのない気持ちについて使用をします。
何が真剣なのか、まじめなのか人によって違い、本人が「本気」であっても、他の人には「本気」に見えないことがあります。
本人が「本気」だと思っているなら、「本気」という言葉は使用できます。
「本気」を使った例文
・『本気になれば、これくらいのことはできる』
・『本気で漫画を描き続けた』
・『本気で愛していると思った』
・『本気だとは思わなかった』
「本気」の類語
「まじめ」「真剣」が類語です。
「まじめ」とはいい加減なところがないこと、「真剣」とはまじめに物事に取り組む様子のことです。
「本気」の対義語
「いい加減」が対義語です。
投げやりという意味があります。
まとめ
同じよう場面で使われますが意味は違い、「全力」は力のこと、「本気」は気持ちのことです。