「危惧する」と「心配する」の違いとは?分かりやすく解釈

「危惧する」と「心配する」の違い生活・教育

何か失敗するのではないかと考えることを「危惧する」と言いますか、それとも「心配する」と言いますか。

この記事では、「危惧する」「心配する」の違いを分かりやすく説明していきます。

「危惧する」とは?

上手くいかないのではないかと危ぶむことです。


「心配する」とは?

何か起きはしないかと気にかけるという意味です。

不安がること、気がかりなときに使います。

また心を配って色々と世話するときにも用います。


「危惧する」と「心配する」の違い

「危惧する」「心配する」の違いを、分かりやすく解説します。

「危惧する」「心配する」は、両方とも先のことを考え不安に思うという点では同じですが、違う点はどのぐらい具体的なものを対象としているか、不安に思われている対象との関係性、危機感の強さです。

「危惧する」は対象が具体的なもので第三者の立場から言っていることが多くなり「心配する」と言うよりも危機感が強くなります。

「心配する」は対象が漠然としていることが多く当事者でもよく使います。

また危機感が強くなく取り越し苦労なことでも不安に思うことであればよく使われる言葉です。

「危惧する」の例文

「危惧する」の例文を紹介していきます。

・『私はレッサーパンダの絶滅を危惧しています』
レッサーパンダなど非常に人気の動物も絶滅の危機にさらされています。

第三者の立場で気がかりに思っていること、また十年間で生息数が七十パーセントも減少し絶滅危惧種に指定されていて危険度も高いため「危惧する」が適しています。

「心配する」でも言い換えられます。

・『私は父の会社が倒産するのではないかと危惧しています』
父の会社であり当事者ではないため「危惧する」を使いやすく、何を不安に思っているのか対象も具体的です。

「心配する」に言い換えることもできますが、会社が倒産するかどうかの危機感は低く受け取られるでしょう。

「心配する」の例文

「心配する」の例文を紹介していきます。

・『彼は飼っている犬が家で何しているか心配していました』
具体的に何が不安なのかは分かりませんが、家の中で変な物を食べてしまっていたり怪我したりなど危ないことを色々と想定して気にかけ、彼が飼っている犬という当事者であるため「心配する」が適しています。

「危惧する」に言い換えると、自分とは関係ない他人の犬の話に聞こえ、そもそも危なっかしい飼い方で危険性が増しているように感じられます。

・『私はこのクラスに馴染めないのではないかと心配しました』
自分のことで不安に思い、確証がない場合は「心配する」が良いでしょう。

「危惧する」を用いると確実に馴染めない証拠があるように聞こえます。

まとめ

「危惧する」「心配する」は両方とも先のことで不安に思うという意味では同じですが、対象が具体的かどうか、対象とどういう関係か、危機感の強さが違います。

「危惧する」「心配する」などで先のことをあれこれと悩み続けるより、今自分ができることを考えできるだけお互いに安心できる状態が保てられるように工夫してみましょう。