「一端」と「一旦」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「一端」と「一旦」の違い生活・教育

この記事では、「一端」「一旦」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「一端」と「一旦」の違い

「一端」「いったん」以外にも「いっぱし」という読み方がありますが、「一旦」「いったん」という一つの読み方しかありません。

「一端(いったん)」の意味は「ある程度の長さがあるものの一方の端(はし)」「ある物事・主張などの一部分」になります。

「一端」「いっぱし」と読む場合は、「人並み(一人前)であるさま・まだそれほどの実力がないのに一人前を気取るさま」の意味を持ちます。

それに対して、「一旦」「一度・ひとたび・しばらく」の意味を持つ違いを挙げられます。

「一端」と「一旦」の使い方の違い

「一端(いったん)」「竹刀の一端が面に当たりました」のように、「一定の長さがあるモノ・紐の一方の端」の意味で使います。

「一端(いっぱし)」は、「(ある水準を満たしている)一人前」の意味で使用される言葉です。

「全体の一部を支える」の意味を持つ「一端を担う」という慣用句の表現で使う使い方もあります。

「一端」に対して「一旦」「一旦、議論をやめて休憩に入ります」のように、「一度・ひとまず」「しばらく」の意味で使う違いがあります。


「一端」と「一旦」の英語表記の違い

「一端(いったん・いっぱし)」の英語を使った表現は以下になります。

“one end”……一方の端。

片方の端。

一端。

“a part”……全体を構成している一部。

部分。

一端。

“as if~”……まるで~であるかのように。

一端(いっぱし)の~であるかのように。

“as if my child knew everything”……子供が何でも知っているように振る舞う。

子供が一端(いっぱし)に振る舞う。

「一旦」の英語を使用した表記は以下になります。

“once”……一度・一回・ひとたび。

一旦。

“for the moment”……しばらくの間。

一旦。

“in a national crisis”“in an emergency”……国家の危機の時には。

緊急時には。

「一旦緩急あらば」の慣用句の英語表現。


「一端」の意味

「一端」には、「いったん」「いっぱし」の二つの読み方があります。

「一端(いったん)」という言葉には、「ある程度の長さがあるモノの一つの端(はし)・一方の端」の意味があります。

「一端」は、「全体の中の一部分」の意味も持っています。

また「一端(いっぱし)」と読む場合は、「(平均以上の能力・技術などを前提にした)人並み」「(ある業界・範囲における)一人前」の意味合いになります。

「一端」の使い方

「一端(いったん)」「片方の端」の意味で、「ロープの一端を何とか掴むことができました」などの文章で使用できます。

また「実力の一端を見せる」「チームの一端を担っています」のように、「一端」「全体を構成している一部・部分」の意味合いでも使われます。

「一端(いっぱし)」「一端の顔をしているがまだ新人です」のように、「(ある業界・仕事における)一人前」の意味で使う使い方になります。

「一端」を使った例文

・『不法投棄をした人物は、廃棄物を縛った紐の一端にコンクリートの重りをつけて湖に沈めたのです。』

・『事実の一端にしか触れていないので、私の口から言えることは限られています。』

・『その会社は、拡大しているキャッシュレス決済市場の一端を担っている新興企業です。』

・『少し前まで小さな子供だったのに、今では政治経済について一端の口を聞くまでに成長しました。』

・『一端の法律家を気取ってはいても、弁護士のキャリアが浅いのでまだまだ裁判の実務について未熟なところがあります。』

「一端」の類語

「一端」の類語には、以下の言葉があります。

・『一部分(いちぶぶん)』……全体を形作っている一つの部分。全体を複数に(細かく)分割したうちの一部。

・『一人前(いちにんまえ)』……ある業界・職業(仕事)において、知識・技術・経験などが一定の水準をクリアしていること。大人・成人やその資格があること。

「一端」の対義語

「一端」の対義語には、以下の言葉があります。

・『両端(りょうたん)』……一定の長さがある対象(モノ)の両方の端。

・『全体(ぜんたい)』……物事のすべて。細かな部分に分けられていないすべて。

・『半人前(はんにんまえ)』……一人前ではないこと。 ある仕事・分野において、一定の基準を超えていなくて未熟・不十分であるさま。

「一旦」の意味

「一旦(いったん)」とは、「一度(一度だけ)・一回・ひとたび」「ひとまず・とりあえず」を意味しています。

「一旦」の表現には、「(すぐにではなく)しばらくの間」「一時」といった意味合いもあります。

「一旦」「旦(たん)」という漢字の字義は「朝」であり、「一旦」は元々は「ある日の朝・一日」というシンプルな意味を持つ言葉でした。

「一旦」の使い方

「一旦」という表現は「一旦は呼吸が回復しました」のように「一回・一度」の意味で使われます。

「一旦」の副詞的用法では「一旦気分が落ち込むとなかなか戻りません」のように、「ひとたび(一度~すると)」のニュアンスで使用できます。

また「一旦」「ひとまず・一時的に」の意味で、「一旦お金を返済しておきます」のような例文で使う使い方もあります。

「一旦」を使った例文

・『一旦は離婚すると決めかけていたのですが、本人から泣きつかれて暫く様子を見ることにしました。』
・『あのお客さんは一旦機嫌を悪くするとクレームが長くなるので、当たらず障らずで接しています。』
・『長時間の議論で皆さんお疲れのようなので、一旦コーフーブレイクを挟むことにしましょう。』
・『これまでに飲んだり食べたりした分の料金について、一旦精算してもらえると助かります。』
・『一旦お互いの言い分を聞いてから、問題の解決方法を考えていきたいと思います。』

「一旦」の類語

「一旦」の類語には、以下のような言葉があります。

・『一度(いちど・ひとたび)』……一回・まず一回。

いっぺん。

(何回もではなく)一回は。

・『一時的に(いちじてきに)』……ずっと継続的にではなく、その時だけ。

長期的にではなく、しばらくの時間だけ。

・『ひとまず』……とりあえず。

差し当たっての対処として。

「一旦」の対義語

「一旦」の対義語は以下になります。

・『ずっと』……一時的ではなくて、ある程度長く続くさま。

ある行為・現象などが、終わりなく続くさま。

・『継続的に(継続的に)』……その時だけに限定せず、ずっと続けるさま。

物事や行為が長く続くさま。

まとめ

「一端」「一旦」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「一端」「一旦」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容を確認してみてください。