この記事では、「付帯」と「附帯」の違いについて紹介します。
付帯とは?
付帯とは、「主だった物事に付け加えること」とか「付随すること」といった意味を持つ言葉です。
付帯の「付」という漢字には、「わたす」とか「あずける」、「さずける」といった意味があります。
「帯」は、「そばに伴う」とか「おびる」といった意味を持つ漢字です。
付帯設備といえば、建物に元々備わっている設備のことを指します。
例えば、給湯器などの水回りの設備もありますし、建具なども付帯設備になります。
エアコンなどの空調は元々備わっている付帯設備の場合もあれば、自分で取り付ける場合もあります。
自分で取り付ける場合には、付帯設備にはなりません。
付帯はあまり日常的に使われる言葉ではありませんが、契約書など文書では使われることはあります。
附帯とは?
附帯とは、付帯と全く同じ意味を持つ言葉です。
附帯の「附」には、「つく」「つける」「そえる」といった意味があります。
附帯が使われるのは公文書に限られています。
新聞などで使われることはありません。
なぜ公文書で使われているのに新聞などには使われないのかというと、新聞社は「附」という漢字を取り扱わないと決めているからです。
そのため新聞社などでは、附帯を付帯に置き換えて使用しています。
そういったこともあり附帯を目にする機会はあまり多くはありません。
付帯と附帯の違い
付帯と附帯は使われている感じに違いがありますが、どちらも「ふたい」と読みます。
また、意味も全く同じで、「主だった物事に付け加えること」という意味で使われています。
そのため意味に違いはありませんが、使われ方には違いがあります。
公用文では付帯ではなく附帯を使うことがルールになっています。
「付」及び「附」を使う熟語は色々ありますが、その中で「附帯」「附属」「附則」「附置」「寄附」の5つの熟語に関しては「附」の漢字を使うことに決まっているのです。
それ以外の熟語には「付」を使うことになっており、「交付」や「給付」「付随」などの熟語があります。
「付」も「附」も常用漢字なので、「付帯」も「附帯」もどちらも使用することができます。
そのため新聞などで「附帯」を使用して問題ないはずなのですが、新聞で使う漢字については日本新聞協会という団体が決めています。
その中で「附」という漢字については使用しないという決定がなされているのです。
公文書では附帯と表記されているものも付帯と置き換えて使用しています。
付帯(附帯)の使い方
『このクレジットカードには保険が付帯されています』
『付帯工事を合わせると予算をオーバーしてしまいます』
『付帯条件を確認しておきましょう』
まとめ
付帯と附帯は意味に違いはありません。
全く同じ意味で使われています。
しかし、使われ方には違いがあり、公文書では附帯の方を使うルールになっています。
ただし、新聞などでは独自の取り決めにより付帯を使うことにしています。