この記事では、「頭骨」と「頭蓋骨」の違いを分かりやすく説明していきます。
骨格にまつわる用語を学びましょう。
「頭骨」とは?
頭骨(とうこつ)とは、頭にまつわる骨の総称です。
ヒトはもちろん、哺乳類の頭部の骨をあらわしています。
博物館や歴史資料館で用いられている、やや専門的な用語になります。
ほかのパーツに比べて目のくぼみ、歯のギザギザ、頭のでっぱり部分が分かりやすいため、収集家の間でも人気のあるパーツです。
ティラノサウルスの頭骨、ネアンデルタール人の頭骨、ウマの頭骨などがその一例になります。
本物の頭骨もあれば、レプリカといって樹脂を固めて作った頭骨もあります。
レプリカは本物に比べて安価なため、装飾品やインテリアとしても注目が集まっています。
「頭蓋骨」とは?
頭蓋骨(ずがいこつ)とは、頭の骨のこと。
解剖の世界では「とうがいこつ」と呼ばれています。
頭蓋骨は20種類以上の骨から成り立っています。
前頭骨や上顎骨、頬骨など数種の骨がパズルのように組み合わさって作られています。
大きな骨は頭頂骨や前頭骨、後頭骨があり、髪の毛全体を幅広く覆っています。
また小さな骨は涙骨や鼻骨、鋤骨があります。
体の各部位にあわせて、しなやかに作られています。
頭蓋骨は頸椎につづく大切な役目をしていて、私たちの脳を外部の衝撃から守っています。
うっかり転んでも脳に悪影響を与えないようにガードしてくれています。
「頭骨」と「頭蓋骨」の違い
いずれも頭部にまつわる骨です。
「頭骨」と「頭蓋骨」の違いを、分かりやすく解説します。
頭骨は「脊椎動物の頭の骨」をあらわします。
脊椎動物とは無脊椎動物の反対語で、背骨をもっている生き物のことです。
例えるならサルは脊椎動物、ミミズやクラゲは無脊椎動物にあたります。
こうした背骨のある生き物の、頭の骨をあらわす言葉が「頭骨」です。
頭骨はおもに骨格標本やレプリカを製作するときに用いられます。
一方で頭蓋骨は、医療や解剖の分野でつかわれます。
頭骨と同じように「頭の骨」をあらわしますが、おもにヒトの頭蓋の骨を指して使っています。
頭蓋は医療の言葉で「とうがい」と読みます。
頭蓋は脳髄という、脳の膜を覆っている骨をあらわします。
脳髄は薄いベールのようなもので、内側には大脳や小脳など私たちの体に欠かせないパーツが詰まっています。
開頭手術は脳外科でおこなわれるメジャーな手術で、頭蓋骨を切開して手術をすすめていく方法をいいます。
まとめると骨格標本の現場で用いられているのが頭骨、おもに医療の分野で用いられているのが頭蓋骨です。
どちらも「頭の骨」をあらわしますが、使用される分野がそれぞれ異なっています。
まとめ
「頭骨」と「頭蓋骨」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「頭部の骨」を指しています。
頭骨はトリやヒト、恐竜の頭の骨をあらわします。
骨格標本やレプリカで利用される言葉です。
そして頭蓋骨は、おもに「ヒトの頭の骨」を指しています。
脳外科の手術などで用いられる、医療用語です。