「土地勘」と「土地鑑」の違いとは?分かりやすく解釈

「土地勘」と「土地鑑」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「土地勘」「土地鑑」について紹介します。

土地勘とは?

土地勘とは、その土地の地形や地理、道路の状況などについて詳しく知っていることをいいます。

「土地勘がある」といった使い方をします。

その土地に長く暮らしていると、車が渋滞した時にどの裏道を通れば早く行けるのかということが分かっていたりします。

また、その地域に暮らす人々の生活習慣なども把握し、スーパーマーケットの周辺は夕方になると車の往来が多くなるといった知識も自然に身に付きます。

そういった経験によってその地域の情報が自然に身に付くことを土地勘があるというのです。

「土地勘」は一般的に使われている言葉で、新聞やテレビなどで目にすることも多いと思います。


土地鑑とは?

土地鑑は元々警察用語で、その土地の地形や地理、道路の状況などについて詳しく知っていることをいいます。

土地勘と同じ意味で使われていますが、あまり一般的な表記ではありません。

土地に鑑みるという意味で、土地鑑という言葉が誕生しました。

土地鑑の「鑑」には、前例から良し悪しを見分けるとかしっかり点検する、よく見て品定めをするといった意味があります。


土地鑑と土地勘の違い

土地鑑と土地勘は全く同じ意味で使われている言葉です。

実は土地勘は、土地鑑の誤った使い方になります。

本来は土地鑑という表記が正しいのですが、誤用である土地勘の方が広く普及したために土地勘が使われるようになりました。

警察では犯罪捜査の際に、鑑識という証拠を科学的に鑑定することを行います。

土地鑑の「鑑」にも鑑識と同様の意味があり、その土地に鑑みるという意味の言葉になります。

それがどうして「鑑」ではなく「勘」が使われるようになったのかというと、犯罪が起きた際に土地について勘が働くといったイメージが広まってしまったからです。

「勘」には、直感的に物事を感じ取るという意味があります。

「勘が良い」とか「勘が働く」といった使い方をします。

推理小説などでは、勘の良さやひらめきが事件を解決する糸口になることも多いといえます。

そういったイメージから新聞やテレビなどのメディアが「土地勘」という表記をするようになりました。

それが定着してしまったため、本来の「土地鑑」を使う人が少なくなっていったのです。

現在、新聞社やテレビ局の多くは「土地勘」と表記することが多くなっています。

ただし、現在も「土地鑑」と表記している新聞社やテレビ局もあります。

そのため「土地鑑」「土地勘」も間違った使い方ではありません。

どちらも正しい使い方なので、どちらを使っても大丈夫です。

まとめ

「土地勘」「土地鑑」の誤った使い方でしたが、現在では「土地勘」の方がよく使われるようになっています。

どちらも正しい使い方なので、「土地勘」「土地鑑」も使用することができます。

どちらもその土地の地理や地形、道路状況などに詳しいという意味があります。