この記事では、「焼き芋」と「ふかし芋」の違いについて紹介します。
焼き芋とは?
焼き芋とは、焼いたサツマイモのことをいいます。
サツマイモは生だと硬くて甘味もあまりありませんが、加熱することで柔らかくなり甘味も香りも増します。
これはサツマイモの中のデンプンが分解され、麦芽糖という物質に変化するからです。
この際、βアミラーゼという酵素によって分解されます。
麦芽糖が多い程、甘みを強く感じるのです。
焼き芋には、加熱された石を使って焼いた石焼きや壺焼き、かまど焼きなどがあります。
石焼きの場合、βアミラーゼが最もよく働く70℃程度の温度で長時間加熱することができます。
そのためサツマイモの甘味を最大限に引き出せるという特徴があります。
以前は冬になると、トラックなどで焼き芋を販売する光景が見られました。
最近ではスーパーマーケットやコンビニエンスストア等でも焼き芋を販売しており、手軽に食べられるようになっています。
焼き芋の専門店なども登場しました。
また、サツマイモの品種改良も進み、糖度が高い品種なども誕生しています。
焼き芋に使われる品種には、紅あずまや紅はるか、鳴門金時、安納芋などがあります。
紅あずまはホクホクした食感が特徴で、安納芋や紅はるかはねっとした食感です。
鳴門金時はその中間になります。
ふかし芋とは?
ふかし芋とは、サツマイモを蒸したものをいいます。
また、ジャガイモを蒸したものをふかし芋といったりもします。
蒸し器を使ってふかすのが一般的ですが、フライパンや鍋などでも代用することができます。
シリコンスチーマーや電子レンジなどを使う場合もあります。
スーパーマーケットなどでは販売されておらず、自宅で作ることが多いです。
焼き芋とふかし芋の違い
焼き芋とふかし芋の違いは、調理方法にあります。
焼き芋は焼き窯などを使って加熱する方法で、ふかし芋は蒸して加熱する調理法になります。
そのため出来上がった時の水分量にも違いがあります。
ふかし芋は蒸気で加熱するので水分が残りますが、焼き芋は加熱している間に水分が蒸発します。
そのため含まれている水分が多いのはふかし芋です。
また、甘味が強いのは焼き芋の方になります。
なぜかというと甘味は麦芽糖の量によって決まるのですが、焼き芋の方がふかし芋よりも麦芽糖が多いからです。
焼き芋の場合、βアミラーゼが活発に働く70℃で長時間加熱することができるので甘味が引き出されやすくなっています。
特に石焼きは甘くなるといわれています。
ただし、専用の窯が必要なので、家庭で同じように甘味を出すのは難しいといえます。
そのため家庭では、ふかし芋にする方が多いです。
まとめ
焼き芋とふかし芋は、調理法が異なります。
サツマイモを焼いて加熱したのが焼き芋で、蒸して加熱したのがふかし芋です。
甘味を引き出しやすいのは焼き芋ですが家庭で作るのは大変なので、家庭ではふかし芋を作ることが多いです。