「ダニ」と「クモ」はどことなく雰囲気が似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「ダニ」と「クモ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ダニ」とは?
「ダニ」は、クモガタ綱ダニ目に属する節足動物の総称です。
非常に多くの種類が存在しており、私たちの身の周りにもいくつかの種類が常在しています。
農作物に発生して被害をもたらすもの、屋内に生息してアレルギーを引き起こすもの、ヒトや動物を吸血するものなどがおり、数ある害虫の中でも代表的な存在といえるでしょう。
ほとんどのダニは体長1mm以下と非常に小さく、体は頭胸部、腹部の2体、8本の脚で構成されます。
また、頭胸部と腹部の境目はなく、全体的に丸くずぐんだ体型をしているのが特徴です。
屋内に生息するダニは「屋内塵性ダニ類」と呼ばれ、ほこりなどに生息する「ヒョウヒダニ」や食品に増殖する「コナダニ」などが知られます。
これらのダニは直接ヒトに危害を加えませんが、糞や死骸を吸入することが「ダニアレルギー」の原因につながります。
またこれらのダニがいると、それをエサにする「ツメダニ」も増殖し、ヒトを咬むことがあります。
湿気、ほこり、食べ物のカスなどはダニのエサになります。
そのため、こまめに掃除や除湿を心がけて清潔な環境を保ち、ダニの繁殖を防ぐことが大切です。
「クモ」とは?
「クモ」は、クモガタ綱クモ目に属する節足動物の総称です。
糸を出して網を張り、引っ掛かった昆虫を捕食することで知られます。
「クモ」の糸は腹部にある「出糸突起」という器官から出ており、「クモ」は網に引っかかった獲物をエサにしたり、網を巣にして脱皮や繁殖を行ったりしています。
ただ、すべての「クモ」が網を張るわけではありません。
網を作る「造網性」のクモと網を作らない「徘徊性」の「クモ」がおり、網を使わずに毒で麻痺させて獲物を捕獲するものも存在します。
「クモ」の体は頭胸部、腹部の2体で構成され、8本の脚があり、大きさは種類によって異なります。
また、ほとんどの「クモ」が肉食で昆虫を捕食するため、害虫を駆除する益虫としてもおなじみです。
屋内に出没したり軒下などに網を張って人に不快感を与えることもあり、益虫でありながら不快な虫として駆除の対象になってしまうこともあります。
害虫を駆除するクモは、できれば駆除せず生かしておくことが望ましいです。
なお、ほとんどの「クモ」が毒を持っていますが捕獲した獲物を麻痺させるためのもので、ヒトに危害を与えることはありません。
ただし、一部の「クモ」はヒトに危害をもたらす「毒グモ」です。
日本でも発見されている「毒グモ」のセアカゴケグモ、ハイイロゴケグモに咬まれると、激しい痛みや腫れを引き起こすので注意が必要です。
「ダニ」と「クモ」の違い
「ダニ」と「クモ」の違いを、分かりやすく解説します。
「ダニ」と「クモ」はどちらもクモガタ網に属する節足動物です。
どちらも脚が8本あり、ごく小さなものは互いに見た目がよく似ていますが、「ダニ」はダニ目、「クモ」はクモ目といった生物学上の分類が異なっています。
ほとんどの「ダニ」は体長1㎜以下と小さく、丸くてずんぐりした体型をしています。
農作物に害をもたらしたり、屋内で増殖してアレルギーを引き起こしたりする害虫で、駆除の対象になっています。
一方「クモ」の大きさはさまざまであり、体形は頭胸部と腹部の境目にくびれがあり、ダニとは外見が少し異なります。
網を張って昆虫を捕食することで知られ、ハエやゴキブリなどの害虫もエサにすることから益虫といわれています。
このように「ダニ」と「クモ」は同じクモガタ網の生き物でありながら、さまざまな違いがみられます。
まとめ
「ダニ」と「クモ」は脚が8本あり体つきも似ていますが、「ダニ」はずんぐりして「クモ」は腹部にくびれがある、といった違いがあります。
「ダニ」は害虫、「クモ」は益虫という位置づけも、両者の大きな違いといいえるでしょう。