この記事では、「靱帯」と「腱」の違いについて紹介します。
靱帯とは?
靱帯とは、動物の体において骨と骨を結合している組織のことをいいます。
骨と骨を結んで連結を補強する役目を担っています。
靱帯には関節の運動を滑らかにしたり、制限したりする働きがあります。
主な成分はコラーゲンの繊維で、強靭な結合組織の短い束になっています。
靱帯には弾性があるため、張力がかかることで次第に伸びてしまいます。
関節が外れて骨の位置がずれることを脱臼といいますが、脱臼すると関節の周辺にある靱帯も損傷します。
その際、脱臼に気付かずにそのまま放置したりすると靱帯が伸びてしまうのです。
すると、伸びた靱帯は元には戻らないので、関節が外れやすくなってしまうことがあります。
脱臼を何度も繰り返してしまいます。
脱臼しているかもしれないと思ったら、早く医療機関を受診して治療を受けることが重要になります。
スポーツ選手に多い怪我には靱帯損傷があり、何らかの力が加わって靱帯を損傷してしまうものです。
完全に断裂してしまった場合には、自然に治癒することはありません。
一度切れてしまった靱帯は再生しないのです。
その場合、人体の再建手術を行う必要があります。
スポーツで損傷しやすいのは、膝の前十字靱帯です。
タックルを受けるラグビーやアメリカンフットボール、ジャンプの着地の際に人とぶつかるバスケットボールなどで起こりやすく、スポーツ外傷の中でも重症とされます。
場合によっては、選手生命を脅かされることもあります。
スキーやスノーボード、バレーボールなどでも発生しやすいといわれています。
腱とは?
腱は、筋肉と骨を結ぶ組織のことをいいます。
主にコラーゲンでできていて軟部組織になります。
腱の形状は筋肉の種類によって異なっており、骨格筋をサポートする働きがあります。
非常に丈夫なので切れることはまずありませんが、ごく稀に発生することがあります。
起こりやすいのはアキレス腱で、アキレス腱の断裂はスポーツで起こりやすい外傷の一つです。
アキレス腱は、ふくらはぎの下の方からかかとにかけて走る腱になります。
人の身体の中では最も強い腱ですが、瞬間的に大きな負荷がかかると断裂してしまうことがあります。
断裂した場合、切れた腱同士がくっつく場合には保存療法が選択されます。
くっつかない場合には、断裂した腱を縫い合わせる手術を行います。
靱帯と腱の違い
靱帯も腱も強靭な軟部組織ですが、結合させているものに違いがあります。
骨と骨を結合させているのが靱帯で、骨と筋肉を繋いでいるのが腱になります。
靱帯には関節の動きを滑らかにしたり制限したりする働きがあり、腱には骨格筋をサポートする働きがあります。
まとめ
靱帯は骨と骨を結ぶ組織で、腱は骨と筋肉を結ぶ組織のことをいいます。
どちらもコラーゲンでできており、それぞれ異なる役割を担っています。
どちらもスポーツで損傷することが多い組織になります。