店頭には様々なかんきつ類が並ぶようになりました。
人気種の「せとか」「紅まどんな」はどのような違いがあるのでしょう。
この記事では、「せとか」と「紅まどんな」の違いを分かりやすく説明していきます。
「せとか」とは?
「せとか」は、長崎県を育成地に持つタンゴール種のかんきつ類です。
育成地の近くに「早崎瀬戸」海峡があること、瀬戸内海を臨む温暖な環境で栽培されることから、その名前(系統名)がつけられています。
長崎県の果樹試験場で開発され、2001年に品種登録されました。
「せとか」は、温州みかんよりやや大きめで、果皮は薄くてとても柔らかく、果肉は糖度が高く香りとコクが濃厚です。
親品種に、やや扁平な形で鮮やかな橙色を持つ「アンコール」や「マーコット」、果肉が柔らかくジューシーな「清見」(きよみ)を持ち、これらの系統を受け継いだバランスの良いかんきつ類となっています。
皮は手で簡単にむくことができ、甘酸っぱくて食べやすいことから、同じタンゴール種の「紅まどんな」「はるみ」に並んで高い人気があります。
旬は2月から3月で、愛媛県や長崎県などで盛んに栽培されています。
「紅まどんな」とは?
「紅まどんな」【べにまどんな】は、愛媛県を育成地に持つタンゴール種のかんきつ類です。
「紅まどんな」は果樹園が登録商標している名称の一つであり、品種名は「愛媛果試第28号」といいます。
出荷する果樹園によって「媛まどんな」【はるまどんな】「あいか」などさまざまな名前で呼ばれています。
「紅まどんな」愛媛県で開発され、2005年に品種登録されました。
温州みかんより大きめで丸みがあり、皮はとても薄く果肉はみずみずしくてジューシーです。
親品種には糖度の高い「南香」とオレンジのようにジューシーな「天草」があり、その特徴を受け継いださわやかな風味と果肉の柔らかさが人気を集めています。
旬は12月から1月、出荷数はまだそれほど多くありませんが、愛媛県のオリジナル品種として盛んに栽培がおこなわれています。
「せとか」と「紅まどんな」の違い
「せとか」と「紅まどんな」の違いを、分かりやすく解説します。
「せとか」と「紅まどんな」は、日本で誕生したタンゴール種のかんきつ類ですが、系統や品種、育成地が異なります。
「せとか」はアンコール、清見、マーコットを親品種に持ち、長崎県で開発されました。
「紅まどんな」は南光、天草を親品種に持ち、愛媛県で開発されました。
「せとか」はやや扁平な形で果皮は薄くてむきやすく、濃厚な甘酸っぱさとジューシーさを持ちます。
「紅まどんな」は丸みを帯びた形で果皮はとても薄く、ぷるぷるしたみずみずしい果肉が特徴です。
「せとか」「紅まどんな」はどちらも、オレンジとみかんの良さを併せ持つタンゴール種らしいバランスの良さが身上です。
温州みかんと比べると出荷数は少なく価格も高めですが、食べやすさ、味の良さから人気が高まりつつあります。
まとめ
「せとか」と「紅まどんな」は、どちらもオレンジとみかんの良さを併せ持つ味の良いかんきつ類ですが、見た目や果肉の味わい、食感は異なります。
1か月ほどの短い旬にしか食べられない品種なので、旬の時期には是非味わってみるとよいでしょう。