日本人の私達になじみ深い花に「シャクナゲ」と「ツツジ」があります。
花はよく似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「シャクナゲ」と「ツツジ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「シャクナゲ」とは?
「シャクナゲ」は、ツツジ科ツツジ属のシャクナゲ亜属に分類される花木の総称です。
漢字では「石楠花」と書きます。
「シャクナゲ」という名前の語源については諸説がありますが「しゃくなんげ」と読む別の植物「石楠花」と混同し、「シャクナゲ」と呼ばれるようになったとも言われます。
開花時期は4月から6月、花の色は白、ピンク、紫などさまざまで、花は5輪から10輪ほどが半球状に集まって咲くところが特徴です。
花は豪華で見栄えが良いことから、庭木や植栽としてもたいへん人気があります。
元は高山の岩場に映える野生種で、園芸用に品種開発が進み、世界中に5千種以上が存在します。
山地や高山などの冷涼な環境を好む植物ですが、品種改良によりどの地域でも栽培しやすいものが増えてきました。
日本の原産種には「シャクナゲ」には「アズマシャクナゲ」や「ホソバシャクナゲ」などがあり、園芸用の品種には「セイヨウシャクナゲ」と交配したものが多くなっています。
葉には有毒成分を含み、摂取すると下痢や呼吸困難などの中毒症状が起こるとして注意喚起がなされています。
「ツツジ」とは?
「ツツジ」は、ツツジ科ツツジ属のツツジ属に分類される花木の総称です。
海外では“Azalea”(アザレア)と呼ばれます。
また、漢字では「躑躅」と書き「たたずんで見とれるほど美しい」という意味を持ちます。
開花時期は3月から5月で、赤、紫、ピンク色などの花冠が5つに咲けた花を咲かせます。
アジアに約90種が分布し、ネパールの国花にも指定されています。
また、日本でも山野に自生する品種があるほか、園芸用に品種開発されたものが庭木や植栽として広く親しまれてきました。
「ツツジ」の品種には「ヒラドツツジ」や「ヤマツツジ」、「サツキ」などが知られます。
また、日本では海外から持ち込まれ園芸用として普及した「ベルギー・アザレア」が一般的な「ツツジ」と区別して「アザレア」と呼ばれています。
なお、釣鐘のような白い小花が咲く「ドウダンツツジ」は「ツツジ」と名が付きますが「ツツジ」と同じツツジ属の仲間ではありません。
「シャクナゲ」と「ツツジ」の違い
「シャクナゲ」と「ツツジ」の違いを、分かりやすく解説します。
「シャクナゲ」と「ツツジ」は、ツツジ科ツツジ目に分類される花木で、春に白、ピンクなどの花を咲かせます。
山野に自生するほか、園芸用の品種が庭木や公園などの植栽に好んで植えられ、私たち日本人にはなじみの深い春の花となっています。
「シャクナゲ」はシャクナゲ亜属、「ツツジ」はツツジ属に分類され、同じ仲間にはあたりません。
また、花の咲く様子を比べても、「ツツジ」は3つほどの花が集まって咲くのに対し、「シャクナゲ」は5~10個の花が集まった大きな半円球状の花を咲かせるところが異なっています。
まとめ
「シャクナゲ」と「ツツジ」はどちらもツツジ科に属す外観のよく似た花ですが、比べてみると明らかな違いがあります。
街中でもよく見かける樹木なので、改めてじっくり観察してみるのもよいでしょう。