この記事では、「シルク」と「絹」の違いを分かりやすく説明していきます。
繊維の差を見ていきましょう。
「シルク」とは?
シルクとは、美しいオフホワイトの糸のこと。
桑の葉が大好きな、カイコがはぐくむ天然繊維です。
まるで神様がつくった雲のように、きめ細かくやわらかな糸をしています。
シルクを生産する農家では、カイコの繭を熱湯に浸して、余分なものをはいでいきます。
軽くゆすいでリールに巻いていくと、太くてしなやかな糸になります。
ツヤと光沢が美しく、素肌に優しい肌触りをしています。
ぐっすり眠れるシルクのパジャマや、美容に嬉しいフェイスタオル、マスクなど色々な製品に生まれ変わっています。
「絹」とは?
絹とは、光沢感のある素材のこと。
日本では麻やコットンにならぶ、自然素材として昔から人気があります。
一説によると弥生時代には、すでに絹をつかった織物が生まれていたそうです。
絹糸はタンパク質のひとつである、フィブロインから作られています。
色々な色に染まり、余分な汗や水分を吸い取ってくれます。
パリッとした艶もあるので、大判のスカーフ、ストール、ネクタイに加工されています。
素肌にちかい素材で作られているので、気持ちがいいです。
高級感があるので、ご自宅用としてはもちろん、大切な方への贈り物としても重宝されています。
「シルク」と「絹」の違い
「シルク」と「絹」の違いを、分かりやすく解説します。
シルクと絹はとても似ていますが、それぞれ同じ繊維を指します。
シルクが英語表記、絹が和名表記です。
シルクと絹は、カイコの繭玉から作ります。
繭玉はカイコにとってマイホームのようなもの。
幼虫からサナギに変身するときに、白い繭が作られます。
ひとつの繭玉ができるまでに、およそ10日から2週間ほどかかります。
美しい繭ができたら、煮繭をおこない糸をばらしていきます。
そしてリールや板に絹糸を巻き付けていきます。
ひとつの繭からは、なんと1,000メートルもの絹糸が取れます。
手作業でおこなうと、その作業は1時間ほどかかることもあります。
シルクや絹と聞いて思い浮かべるのが、天皇家の年中行事です。
こちらは「御養蚕始の儀」と呼ばれていて、天皇皇后両陛下がカイコの繭をとる作業をおこなっています。
御所で編まれたシルクと絹糸は、年中行事でつかうお召し物や、海外のお客さまへのギフトに生まれ変わっています。
昨今は化学繊維が増えて、本物のシルクや絹にふれる体験は少なくなっているもの。
日本らしい天然繊維を、今こそ大切にしたいものです。
まとめ
「シルク」と「絹」の違いを分かりやすくお伝えしました。
シルクも絹もカイコの繭玉から作られます。
どちらも同じ繊維をあらわしていて、カタカナ表記がシルク、日本らしい和名が絹です。
吸水性が高く肌触りもなめらかなので、スカーフやネクタイ、パジャマなどに加工されています。
ハイクオリティな織物のため、特別な日のアイテムとして活用したいです。