この記事では、「高度経済成長」と「バブル経済」の違いを分かりやすく説明していきます。
歴史をひも解いていきましょう。
「高度経済成長」とは?
高度経済成長とは国の経済が、一気に好転していくこと。
おもに前年度のGDP(国内総生産)から10%以上、数字が良くなっている状況を意味します。
簡単にいうと国力がついて、国全体がお金持ちになっている状態を高度経済成長といいます。
日本で高度経済成長というと1950年代から1970年代を指します。
第二次世界大戦が終わりを告げて、東京や大阪が新しい都市として生まれ変わっていった時期です。
1964年には日本で初めてとなる東京オリンピックが開催されて、国全体に活気が戻るようになりました。
「メイドイン・ジャパン」の家電が売れるようになり、国内はもとより世界から沢山のオファーが来るようになりました。
「クーラー・カー・カラーテレビ」は3Cと呼ばれて、多くの家庭に普及していきました。
「バブル経済」とは?
バブル経済とは1980年代の半ばから、1990年代の初めにかけて一世を風靡した好景気のこと。
アメリカで開催されたプラザ合意という協定によって、円の価値が下がる「円高」となったのが引き金となって起こりました。
円高による日本の国力低下を恐れた日本政府は、金利を下げる施策をうっていきます。
これによって銀行が安い金利でどんどん企業にお金を貸すようになり、全国の企業には多くの富が行き渡るようになりました。
また余ったお金は株式や土地の購入にあてられるようになり、日本中は一気に派手なムードに包まれました。
イタめし、財テクブームなど、新たな言葉が生まれたのもこの頃です。
好調だったバブル経済ですが「バブル(泡)」という言葉にある通り、1990年代にはいると一気に泡のように弾けて崩壊しました。
実体はないものの、さもお金があるように見えていた幻想が「バブル経済」です。
「高度経済成長」と「バブル経済」の違い
それぞれ日本の歴史を物語る、大切なキーワードです。
「高度経済成長」と「バブル経済」の違いを、分かりやすく解説します。
・1950年~1970年の高度経済成長、1980年代のバブル経済
どちらも日本が好景気にわいた期間をあらわします。
ただ年代と背景が大きく異なっています。
高度経済成長は戦争が終わった後、焼け野原になった日本がたくましく復興をとげた時代です。
およそ20年間にわたって、日本は世界に誇れる国として成長していきました。
そしてバブル経済は1980年半ばから約5年ほど続いた、にわか景気です。
円高による国力の低下を恐れた日本政府が、低金利の政策を実施したことにより始まりました。
実体のない、まるで幻のような好景気がバブル経済です。
まとめ
「高度経済成長」と「バブル経済」の違いを分かりやすくお伝えしました。
高度経済成長は戦後の日本が、海外と肩を並べられるくらい、勇ましく成長した時代のこと。
そしてバブル経済は、1980年代に始まった泡のような好景気をいいます。
その差を区別しておきましょう。