「伸ばす」と「延ばす」の違いとは?分かりやすく解釈

「伸ばす」と「延ばす」の違い生活・教育

「のばす」を漢字で書くと「伸ばす」「延ばす」の2通りがあります。

これらは、どのように使い分ければよいのでしょうか。

この記事では、「伸ばす」「延ばす」の違いを分かりやすく説明していきます。

「伸ばす」とは?

「伸ばす」【のばす】には、長くする、広くする、曲がっているものをまっすぐにする、濃さを薄める、などの意味があります。

漢字の「伸」には広げて大きくする、長くするという意味があり、「伸ばす」はものを押し広げるなどして長さや広さを大きくするさまを表します。

主に、ものの長さや面積など空間的な範囲を大きくする工程を表す言葉ですが、そのほかに「能力を高めること」「体力を奪われてぐったりすること」「伸びる」と表現することができます。


「伸ばす」の言葉の使い方

「伸ばす」は他動詞「伸びる」を自動詞のかたちにしたもので、「長くする」「まっすぐにする」など意図的にものを広げて範囲を大きくする行為を表します。

「伸ばす」の使い方には以下の例文が挙げられます。

・『背を伸ばすために毎日牛乳を飲み続けた』
・『伸縮性のあるひもをひっぱって伸ばす』
・『クッキー生地をめん棒で押し広げ、薄く伸ばす』
・『ハンカチのしわをアイロンでしっかり伸ばす』
・『原液を薄め液で3倍に伸ばしてから使う』
・『生徒の成績を伸ばすための対策を考える』
・『そのボクサーは弱すぎて、一発KOで伸びてしまった』


「延ばす」とは?

「延ばす」【のばす】とは、決められている日時や時間を先に遅らせること、ものを継ぎ足して長くするすることです。

漢字の「延」には、ものの距離や時間が長く広がる、時間を遅らせる、という意味があり、「延ばす」は距離を長くする、予定していたことが実行されるまでの時間を長くすることを表します。

また、押し広げて物理的に長くするというよりは、ものを継ぎ足してその分だけ長くするニュアンスを含みます。

「延ばす」の言葉の使い方

「延ばす」は他動詞「延びる」を自動詞の形にしたもので、意図的に長さを継ぎ足してものの距離を長くしたり予定を先送りしたりすることを表します。

「延ばす」の使い方には以下の例文が挙げられます。

・『マラソン大会の走行距離を2kmから5kmに延ばす』
・『イベントの開催日時を1か月後に延ばす』
・『テーブルタップにつないで、コードをコンセントまで伸ばした』

「伸ばす」と「延ばす」の違い

「伸ばす」「延ばす」はどちらも、ある事柄を長くすることに関連していますが、意味と使われる場面は少し異なります。

「伸ばす」はさまざまな状況を表す言葉ですが、主に「ものを押し広げて、長さや広さ、容量を大きくする」というニュアンスを示しています。

その一例が「ゴムを伸ばす」「しわを伸ばす」などです。

一方、「延ばす」には「継ぎ足して、ものや時間的な長さを長くする」といったニュアンスがあり、「距離をあと○メートル延ばす」「予定を○日後に延ばす」といった使い方がされます。

「伸ばす」は主に「物理的な作用をはたらかせてものを押し広げる」工程を指していますが、「延ばす」「定められていたものの距離や予定を意図的に長くのばす」といったニュアンスを含んでいるところが「伸ばす」と異なっています。

まとめ

「のばす」という言葉は、さまざまな意味を持つ言葉です。

「伸ばす」「延ばす」では意味が変わってくるので、それぞれの状況に合わせて適切に使い分けることが必要です。