この記事では、「苦肉の計」と「苦肉の策」の違いを分かりやすく説明していきます。
故事成語を学びましょう。
「苦肉の計」とは?
苦肉の計(くにくのけい)とは、厳しい選択のこと。
じっくり考えた末に、もう後がないと思っておこなった苦しい決断をいいます。
残されたカードをすべて切った、最後の1枚が苦肉の計です。
苦肉の計という言葉は、三国志にある一文です。
自分で自分の体を痛めつけて、ライバルを騙そうとするやり方です。
もともと「苦肉」には、自分自身を追い込むという、少々ストイックな意味があります。
ライバルを出し抜くために、自分や仲間を痛めつけるという、むごたらしいやり方をいいます。
良いか悪いかはひとまず置いておき、針のむしろで編み出したアイデアや秘策を「苦肉の計」といいます。
逆境から出てきた、普通では考えられないやり方です。
「苦肉の策」とは?
苦肉の策(くにくのさく)とは、苦しい状況から生まれた考えのこと。
相手を倒すために自分や味方の体を痛めつけて、勝利していく秘策です。
苦肉の策の「苦」には「耐えがたい圧迫」という意味があります。
もうこれ以上我慢ができないくらいの圧を、自分自身や味方にあたえることが苦肉の策になります。
策には「はかりごと」という意味があるので、そうした苦し紛れのもくろみ、計略を苦肉の策といいます。
こちらの言葉も、もともとは三国志から登場した言葉です。
負け戦になりそうなときの、止むにやまれぬ選択をさします。
取らざるを得ない、ゆゆしき策略が苦肉の策です。
「苦肉の計」と「苦肉の策」の違い
どちらも「苦肉」からはじまる、よく似た言葉になります。
「苦肉の計」と「苦肉の策」の違いを、分かりやすく解説します。
・どちらも語源は苦肉計 「苦肉の計」と「苦肉の策」はどちらも三国志にある「苦肉計」という言葉から生まれたものになります。
原文をそのまま直訳したのが「苦肉の計」、日本語版にアレンジしたものが「苦肉の策」です。
そのため「計」と「策」の漢字は異なっているものの、言いたい内容はほぼ同じものになります。
まとめると「苦肉の計」と「苦肉の策」は同じ内容です。
「苦肉の計」と「苦肉の策」は人の心理をたくみに利用した、兵法のひとつです。
辛い状況に追い込まれたときに、まさかそのような手は取らないだろうという、人の心情を利用した作戦になります。
自分や味方を傷つけるというのは、本来あってはならない戦術です。
道徳的に良いか悪いかはさておき、ピンチに追い込まれたときの打開策を教えたものになります。
武術のひとつとして、おさえておくと良いです。
まとめ
「苦肉の計」と「苦肉の策」の意味を改めてお伝えしました。
「苦肉の計」と「苦肉の策」はどちらも三国志の苦肉計にまつわる言葉です。
戦で負けそうなときに、自分や味方を叩きのめすという、苦し紛れの策を述べたものです。
「このような手は取らないだろう」という人間の心理を利用した、拙劣なやり方です。
兵法のひとつに加えてみてください。