「可逆性」と「不可逆性」の違いとは?分かりやすく解釈

「可逆性」と「不可逆性」の違い生活・教育

この記事では、「可逆性」「不可逆性」の違いを分かりやすく説明していきます。

「可逆性」とは?

「かぎゃくせい」と読み、名詞の「可逆」に接尾辞「性」がついた言葉になります。

「可逆」とは、逆に戻りうること、元の状態に戻りうることを指します。

「性」は、名詞の下についた場合、そのような性質、状態などであることを表します。

よって、逆に戻りうる性質、元の状態に戻る可能性がある性質という意味になります。

化学反応で、可逆性があるという場合には、正反応と逆反応がどちらも起こりうることになります。

例えば、水素とヨウ素を容器に入れて高温にすると、ヨウ化水素となります。

これとは逆で、ヨウ化水素だけを容器に入れたとしても、一部が水素とヨウ素になります。


「可逆性」の使い方

元に戻れる可能性がある場合に対して使います。

化学などで使う場合には、物質が元に戻る可能性がある場合に使います。

一般的にはあまり使われませんが、通常の会話でも、「筋トレに励めば筋肉が増え、怠ければ減るので、可逆性の原理があると思う」などと、使うこともあります。

使い方は、「可逆性がある」「可逆性の法則」などです。


「不可逆性」とは?

「ふかぎゃくせい」と読み、「可逆」に否定の接頭語「不」、接尾辞「性」がついた言葉です。

可逆性が無い、可逆でないという意味になり、元に戻れる可能性が無いことを表します。

時間は過ぎてしまえば元に戻ることはありません。

そのようなものに対して使用します。

化学では、正反応のみが起こって、逆反応が起こらないものに対し不可逆反応といいます。

「不可逆性」の使い方

高齢者は、「せん妄」を発症することがあります。

注意力や思考力などが低下する症状なのですが、せん妄には、可逆性のものと、不可逆性のものがあるといわれています。

それを、可逆性せん妄、不可逆性せん妄などといいます。

同じように、医療の場では、「不可逆性疾患」「不可逆的な機能性小腸不全」などと、使われています。

使い方は、「不可逆性がある」「不可逆性変化」などと、使います。

「可逆性」と「不可逆性」の違い

「可逆性」「不」で否定している言葉が「不可逆性」になります。

よって、違いは、元に戻る可能性があるのか、無いのかというところです。

医療の場で、「可逆性」といった場合には、元に戻れる可能性がある状態ですが、「不可逆性」といった場合には、元に戻ることは無いということになります。

例えば、慢性閉塞性肺疾患は、肺の組織に不可逆性の変化をきたすとされており、治療で元に戻すことは難しいとされています。

可逆性の肺炎の場合とは、元に戻るかどうかが違います。

「可逆性」の例文

・『あなたに、可逆性の薬剤性肺炎が見つかりました』
・『心理学者・ピアジェは、保存の概念を理解するための要件に、可逆性、相補性、同一性の理解があるといいました』

「不可逆性」の例文

・『慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺に不可逆性のダメージを与えてしまいます』
・『時間の不可逆性について考えると、いてもたってもいられなくなる』
・『疫病は、我々に不可逆性の生活変化をもたらした』

まとめ

「可逆性」は、元に戻りうることで、「不可逆性」とは、元に戻る可能性が無いことでした。

化学や医療の場でよく使われています。