依拠と依存は、似た意味を持つ言葉です。
依存の方が使う頻度は多いですが、依拠と依存にはどのような違いがあるのかを紹介します。
依拠とは?
依拠とは、拠り所にするとかあるものに基づくといった意味を持つ言葉です。
普段の会話で使うことはほとんどありません。
書き言葉として使われることはありますが、その場合も堅い文章に使われます。
依拠の読み方は「いきょ」で、「依拠する」というように動詞として使われることが多いです。
新聞などで目にしたことがある人もいると思います。
依拠の「依」には、「頼る」とか「よりかかる」といった意味があります。
「拠」は、「よりかかる」とか「よりどころ」といった意味を持つ漢字です。
どちらの漢字も似た意味を持っており、それを重ねて組み合わせることで意味を強めています。
また、著作権の用語に依拠性という言葉があります。
「依拠性がある」という場合、既にある著作物に基づいて創作したものという意味になります。
これは著作権を侵害していることになるのです。
依存とは?
依存とは、他の人やものに頼って生きることや存在していることをいいます。
その頼っている人やものがないと成り立たないことです。
依存症という言葉もあり、日常会話でも使われることが多い言葉になります。
人間の子どもは他の動物に比べると、未成熟な状態で生まれてきます。
赤ちゃんは大人に世話をされなければ生きていけませんし、成長して一人で生きていけるようになるまで何年もかかります。
親に依存する対人関係が原型となっており、成長するにつれて親の手を離れ自立していきます。
よく使われることが多い依存症は、ある行動をするとデメリットがメリットを上回ることは理解しているもののその行動を止めることができない状態のことをいいます。
代表的な依存症としえは、薬物依存症やアルコール依存症、ギャンブル依存症、買い物依存症などがあります。
依拠と依存の違い
依拠と依存は、他の人やものに頼っているという意味は共通しています。
依拠の場合には、その頼っているものがなくなったとしても成り立たないわけではありません。
例えば、「彼の作品に依拠して作った私の作品」という場合、彼の作品がなくなっても私の作品は存在します。
それに対して依存の場合、頼っているものがなくなると成り立ちません。
「アルコールに依存している」という場合、アルコールが存在しないと成り立たない関係といえるでしょう。
また、使用頻度にも違いがあり、使われる頻度が高いのは圧倒的に「依存」の方です。
「依拠」を普段の会話で使うことはまずありません。
非常に堅苦しい印象がある言葉で、ニュースやビジネスシーン等では使われることがあります。
まとめ
依拠と依存の違いは、頼っているものがなくても成り立つかどうかにあります。
成り立つのが依拠で、成り立たないのが依存です。
それから依存の方は普段の会話でも使われますが、依拠が使われることはほとんどありません。