この記事では、「平仄を合わせる」と「足並みを揃える」の違いを分かりやすく説明していきます。
「平仄を合わせる」とは?
「平仄」は「ひょうそく」と読み、漢詩に関連する言葉でもあります。
漢詩では、“言葉の響き”として平声(ひょうしょう)と仄声(そくせい)があり、“漢字”としては平字と仄字があります。
これらの取り合わせも、漢詩の奥深さのひとつと言われています。
現代では、そういった取り合わせのことを「平仄」と言い、「つじつま、条理」といった意味合いとして使われています。
つまり「平仄を合わせる」とは、つじつまを合わせるというニュアンスの言葉と言えます。
「足並みを揃える」とは?
「足並み」は、人が歩く速度や歩幅を合わせることを指します。
転じて、「考え方や行動において、目的や進め方を、共通の意識として協力し合うこと」という意味になります。
「揃える」は、複数の事柄や人々が「同じ状態として意識し合うこと」という意味合いがあります。
「平仄を合わせる」と「足並みを揃える」の違い
「平仄を合わせる」は、「物事の筋道やつじつまを取り合わせることにより、調和をもたらすこと」という意味合いです。
「足並みを揃える」は、「目的や進む方向を共通の意識として協力し合うこと」という意味合いです。
ですから、このふたつの言葉は、「合わせる」といったニュアンスは似ている部分もありますが、意味合いとしては少し違うことが分かります。
「平仄を合わせる」の例文
・「小さな嘘に平仄を合わせてしまえば、それはやがて大きな嘘になる」
無理につじつまを合わせようとすると、後々苦しくなるものです。
「平仄を合わせる」には、「嘘でごまかす」といったネガティブなニュアンスが含まれているようです。
小さな嘘の積み重ねは、後戻りできなくなる傾向がありますので、いかにして“最初の嘘”を使わずに乗り越えられるかが肝心です。
「足並みを揃える」の例文
・「東京スカイツリー建設プロジェクト成功は、協力企業の足並みが揃った成果だ」
建築、デザイン、プロモーションなど、オフィシャルパートナーをはじめ、数え切れない程の人々が協力し合って完成したスカイツリーです。
お互いに主張ばかりしていては折り合いが付かず、話も作業も前に進みません。
同じゴールに向かって足並みを揃える。
これは、日本人の得意とする分野かも知れません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「平仄を合わせる」と「足並みを揃える」は、“合わせる”といったニュアンスとは別に、少し違った意味合いがある言葉であるということが分かりました。
特に、「平仄を合わせる」は、あまり馴染みのない言葉と感じる方もいるでしょう。
少し難しい言葉のように感じますが、場面に合わせて使いこなせるように、みなさんなりに研究してみるのも良いでしょう。