「まみれ」と「だらけ」と「ずくめ」は似たような意味合いで使われる言葉ですがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「まみれ」と「だらけ」と「ずくめ」の違いについて解説します。
「まみれ」とは?
「まみれ」とは、「物体の表面に別の物体が大量に付着している様子」を意味する言葉です。
主体となるものが存在するときに「主体を覆うように何かの物体がたくさんまとわりついている状態」を指して「まみれ」と表現します。
一般的にはあまりいい表現ではなく汚いものや不衛生なものなどできれば付着してほしくないものがまとわりついてしまっている時につか割れる嫌悪感を含んだ表現です。
近年は元の意味合いを逆手に取る形で「たっぷりついていること」をあえて「まみれ」と表現する用法が広まっています。
「チョコレートたっぷり」と表現すべきところを会えて「チョコレートまみれ」とする用法では元々の意味に含まれていた嫌悪感の要素は見られません。
言葉の意味合いとして「簡単には取れない」という要素も含まれています。
ネバついたりべとついたりなど表面にとどまろうとする性質の物体が付着している状態が「まみれ」です。
「まみれ」の例文
・『一日中農作業をしていたので泥まみれになった』
・『スポーツのあとは汗まみれになってしまう』
「だらけ」とは?
「だらけ」とは、「たくさんあり目立っていること」を意味する言葉です。
「だらけ」という言葉は「観測範囲内において特定のものの数が他に比べて多く、わかりやすくはっきりと存在している様子」を表すときにつかわれます。
それ以外のものも存在しているが数が少なく目立っておらず見る限り特定のものが目につく状態が「だらけ」です。
数量については具体的な基準はないものの一目見てはっきりと数や量が多いことが分かる大多数が占めている状態を「だらけ」と表現します。
「だらけ」の例文
・『放置していた倉庫の中はホコリだらけだった』
・『血だらけの人が救急病院に担ぎ込まれる』
「ずくめ」とは
「ずくめ」とは、「特定のものがほとんどを占められていること」を意味する言葉です。
どれを見ても同じものだったり次から次に同様のものが見られるような「他のものが見当たらず特定のものばかりである様子」を指して「ずくめ」と表現します。
最初から最後まで一貫している様子や全て同じものが続く状態など「特定のものがぎっしり詰まっていて他のものが入る余地がない様子」を指す言葉です。
一般的には数を数えられるものに対して用いられる表現であり、量よりも数を重視した表現です。
「ずくめ」の例文
・『その政策は国民にとっていいことずくめだ』
・『頭の天辺からつま先までブランドずくめのコーデ』
「まみれ」と「だらけ」と「ずくめ」の違い
「まみれ」と「だらけ」と「ずくめ」はどれも量が多いことを意味する言葉ですがそれぞれの「状態」に違いが見られます。
「まみれ」は主体となるものの周囲にまとわりつくような状態を表し、液体や粉末など物体に付着するようなものに対して使われる表現です。
「だらけ」は観測範囲において量が多く存在が目立っていることを表す言葉で目で見て数量を計測できるものが多い状態を指します。
「ずくめ」は数が多いことを表す言葉でそれ以外のものがほとんどない特定のもので大部分が占められている状態に対して使う表現です。
まとめ
「まみれ」と「だらけ」と「ずくめ」は量や状況によって使い分けられる言葉ですが、近年はあえて違和感のある用法で言葉を選ぶケースも増えています。
どのような意味で使われているのか文脈に注意して理解しましょう。