借金まみれの生活からやり直す手段として「債務整理」と「自己破産」がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「債務整理」と「自己破産」の違いについて解説します。
「債務整理」とは?
「債務整理」とは、「返済できなくなった借金を整理し再建を目指す手続き」を意味する言葉です。
「債務整理」の使い方
「債務整理」とは法律によって認められる借金を整理する手続きのことです。
借金が増えて生活が立ちゆかなくなると人生が破滅してしまいます。
もし借金が返せなくなると本人が不幸になるだけでなくお金を貸した側も回収不能金が発生してしまうデメリットが生じます。
そのような最悪の事態を防ぐために認められている手続きが「債務整理」です。
「債務整理」とは簡単にいえば「借金の借りて溶かして同士の合意によって成立する借金の減額」です。
貸主からすると回収不能になるよりは一部であっても返済された方がいい、借主にとっては破綻せず返済できる金額であれば無理なく返せるという双方のメリットにより「債務整理」が成立します。
「債務整理」にはいくつかの方法があります。
当事者同士の話し合いにより成立するもの、裁判所が仲介するもの、法律に基づき強制的に成立するものなどそれぞれ効力や手続き後のデメリットが異なります。
「債務整理」を考えている人は自分にとってどの方法が裁量なのかを選択し人生のやり直しにふさわしい方法を選びますが、手続きにより借金残額や返済期間に違いがあるので注意が必要です。
「自己破産」とは?
「自己破産」とは、「裁判所の決定により成立する借金帳消し手続き」を意味する言葉です。
「自己破産」の使い方
「自己破産」は借金に苦しむ人を救済するために設けられている制度です。
「自己破産」が成立すると債務者つまり借金をしている人が抱えている借金が全額帳消しになり返済義務は消滅します。
過去の借金がすべて消える非常に強力な手続きでありこれから人生をやり直したいと考えている人にとって救いの手となる制度ですが、強力な手続きであるだけにそう簡単には利用できない仕組みです。
「自己破産」が成立するとそれまでの借金がゼロになりますが基本的には生活費などやむを得ない理由による借金が対象であり遊興目的の場合は認められません。
「自己破産」が成立すると一部の職業につけなかったり最低限の資産を除く全ての資産が処分され返済に当てられたりなどデメリットも生じるため注意が必要です。
「債務整理」と「自己破産」の違い
「債務整理」が借金苦からの立ち直りをめざす手続きを指すのに対し「自己破産」は「債務整理」の一種を指します。
「債務整理」には「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」という4種類の方法があります。
「自己破産」は「債務整理」の中でも最も強力な方法です。
「債務整理」の例文
・『借金苦から逃れるために債務整理を決意する』
・『債務整理のおかげで借金が減額された』
「自己破産」の例文
・『自己破産により全ての債務が免責された』
・『費用を節約するために自分で自己破産の手続きをする』
まとめ
「債務整理」と「自己破産」はどちらも借金の整理手続きを指しますが整理手続きのすべてを指す言葉と一つの方法を指す言葉という違いがあります。
混同されやすいので用いるときには言葉の意味に注意してください。
