経済の分野で使われる言葉に、景気と景況感があります。
よく似た意味を持っていますが、微妙に違っているのでその違いについて紹介します。
景気とは?
商売や取引などの状況をいいます。
社会全体の経済活動の状態を表す言葉で、景気が良いことを好景気、景気が悪いことを不景気といったりします。
ただし、単に景気というだけで、好景気という意味で使われることもあります。
また、景気にはそれ以外の意味もあり、元気があることや威勢が良いことを表す言葉でもあります。
和歌や連歌、俳諧などで景色や雰囲気を表す言葉としても使われています。
一般的に使われているのは、経済活動の状態を表す意味です。
景気が良いとは、経済活動が活発に行われている状態のことをいいます。
スーパーマーケットやデパート等のお店で商品が沢山売れれば、企業が得られる利益は大きくなります。
それがそこで働く人の給料アップにもつながり、また消費に使われます。
その反対に経済活動が低調になると、景気が悪くなってしまいます。
商品が売れなければ企業の利益は少なくなり、従業員の給料も減るので買い物に使うお金も減ります。
それいに伴い、失業率なども増えてしまいます。
景気は良くなったり悪くなったりを繰り返しており、ずっと好景気ということはありませんし不景気がずっと続くということもありません。
「景気が上向いてきたので、倒産せずに済みそうだ」とか「不景気なので毎日節約に励んでいる」といった使い方があります。
景況感とは?
景況感とは、景気が移り変わる様子を企業や消費者がどう感じているかということを表す言葉です。
景況感の「景況」には、景気が移り変わる様子という意味があります。
景気に時間の概念が加わった言葉になります。
景況感は経済活動の状態を以前と比較してどう感じているかを表しており、以前と比べて好転しているとか、悪化している、停滞しているというように使います。
アンケート調査などを実施し、それを集計して判断します。
「半年前と比較して、景況感は大分改善されてきた」とか「製造業の景況感は以前よりも悪化している」といった使い方があります。
景気と景況感の違い
景気は経済活動の状態を表すもので、景況感は景気の移り変わりをどう感じているかを表す言葉です。
景気が良くなれば景況感も良くなりますが、景況感が実際の景気とは異なる場合もあります。
例えば、経済活動が活発で景気は良いはずなのに、給料がさほど上がらなかったり支出が多くて景気が悪いと感じたり、停滞していると感じることもあるからです。
そのため景気と景況感は必ずしも連動しているわけではありません。
まとめ
景気は経済活動の状態を表す言葉で、景況感はその印象について表す言葉です。
景気が良いと景況感も良いことが多いですが、実際の景気と景況感がかけ離れていることもあります。
景気と景況感は必ずしも連動しているわけではありません。