「守銭奴」「銭ゲバ」という俗語的な言葉がありますが、あまりなじみがなく違いが分からないという人もいるでしょう。
この記事では、「守銭奴」と「銭ゲバ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「守銭奴」とは?
「守銭奴」【しゅせんど】とは、お金に対する執着心が強く、どん欲にお金をため込もうとする人を指した俗語です。
読んで字のごとく「銭を守る奴」を指し「奴」は人をさげすんだ言い方であることから、良くない意味で「自分の金を守ることに熱心な人」を表します。
具体的には、自分のお金が出て行くことを執拗に嫌い、お金をため込むことを生きがいとするような人物を指します。
お金を大切にするところは「倹約家」と同じです。
ただし「倹約家」は無駄遣いをなくして計画的にお金を使う人を指すのに対し「守銭奴」は「必要最低限のお金を使うことすら嫌がるケチな人」を指しているところが異なります。
「強い金銭欲に取りつかれている人」を意味する「金の亡者」【かねのもうじゃ】も「守銭奴」とはよく似ています。
「金の亡者」は、どちらかというと金もうけに目がないタイプを指しますが「守銭奴」は「金を守る」という意味合いが強く「お金を稼ぐことより使わないことに執念を持っている人」といったニュアンスがあります。
「銭ゲバ」とは?
「銭ゲバ」【ぜにげば】は、お金を稼ぐためならどのようなことでもする、お金に汚い人のことです。
1970年代に同タイトルの漫画が公開されてから、ひとつの言葉として広まっていきました。
これは「銭」と「ゲバ」を組み合わせた造語です。
「ゲバ」は普段聞き慣れない単語ですが、ドイツ語の「ゲバルト」を略した言葉であり暴力行為を意味します。
「ゲバ」は闘争を意味する隠語として使われていたもので「銭ゲバ」は「暴力行為を使ってでもお金を得ようとする人」を表します。
同タイトルの漫画の中では、金に取りつかれ残虐な犯罪を繰り返しながら成り上がっていく主人公が描かれていました。
実際には、暴力行為の有無にかにかかわらず「金もうけに対する執着が強い人」の代名詞となっています。
「銭ゲバ」と最も意味の近い類語には「金の亡者」があり、お金を稼ぐことにただならぬ執着を持っているところが共通しています。
「守銭奴」と「銭ゲバ」の違い
「守銭奴」と「銭ゲバ」の違いを、分かりやすく解説します。
「守銭奴」と「銭ゲバ」は、お金に対して執拗な執着心を持っている人物の代名詞として使われており、互いに類語の関係にあります。
「金にどん欲」「金の亡者」「がめつい」などと言い換えても意味が分かりやすいでしょう。
両者の違いは、お金を得るために起こす行動にあります。
「守銭奴」は自分のお金が出て行くことをひどく嫌い、お金をため込むことに執念を燃やします。
一方「銭ゲバ」は、今あるお金を守るというよりは、あらゆる手段を使ってでもお金を稼ごうとするところが「守銭奴」とは異なっています。
ちなみに、どちらも良い意味はなく他人に対して使うと失礼にあたる場合があるので、使い方には注意が必要です。
まとめ
「守銭奴」と「銭ゲバ」は「お金への執着心が強くケチな人」を指す言葉として知られますが、ニュアンスは異なります。
どちらを使うかによって文の意味も変わってくるので、言葉の意味を知って使い分けていくようにしましょう。