不満がある時に「気に入らない」と言ったりしますが、「気に食わない」という場合もあります。
「気に入らない」と「気に食わない」にはどんな違いがあるのでしょうか。
「気に食わない」とは?
「気に食わない」とは、自分の気持ちに合わなくて不満があることをいいます。
自分の考えや好みに合わず、嫌だと感じたり嫌いに思ったりすることです。
「気に食わない」という言葉で一つに慣用句なので、「気に食う」の否定形というわけではありません。
「気に食う」という言い方は存在しないのです。
「気に食わない」の使い方
「気に食わない」を使った具体例を幾つか挙げてみます。
・彼の自分より下の立場の人には傲慢な態度を取るところが気に食わない。
・イライラしているように見えるのは、何か気に食わないことがあったんだろう。
・あのレストランは味は良いけれど、店員の態度が気に食わないので次は行かないと思う。
・チームを上手くまとめるためには、気に食わない奴とも上手く付き合っていかなければならない。
「気に入らない」とは?
「気に入らない」には、好みに合わずに満足できないとか認めたくない気持ちになっている様子といった意味があります。
好きになれないとか、好ましく思えないといった意味で使われています。
「気に入らない」は、「気に入る」の否定形になります。
「気に入る」には、満足するとか好きになる、その人の気持ちや感性にぴったりと合い心惹かれるといった意味があります。
「気に入らない」の使い方
「気に入らない」の具体的な例を幾つか挙げてみます。
・新しく入ってきた新人社員が先輩にも生意気な口を利くので気に入らない。
・最初はあまり気に入らないデザインだと思ったけれど、使っているうちに段々好きになってきた。
・彼は社長が気に入らない提案ばかりをしているので時間の無駄だ。
・気に入らない人の話も聞かないと裸の王様になってしまうぞ。
「気に食わない」と「気に入らない」の違い
「気に食わない」と「気に入らない」は、ほぼ同じ意味で使われています。
そのため「気に食わない」の代わりに「気に入らない」を使っても問題ありません。
ただし、「気に食わない」の方が嫌いだというネガティブなニュアンスが強く出ています。
「気に入らない」もネガティブなイメージのある言葉ですが、好きになれないという意味なので嫌いだというニュアンスはそこまで大きくありません。
また、「気に入らない」は「気に入る」の否定形なので、対義語は「気に入る」になります。
「気に食わない」の場合にはこれだけで一つの慣用句なので、「気に食う」という対義語は存在しません。
まとめ
「気に食わない」と「気に入らない」は、ほぼ同じ意味で使われています。
そのためどちらを使っても問題はありません。
ただし、嫌いだというネガティブなニュアンスが強いのは、気に食わないの方です。
「気に入らない」は好きになれないという意味なので、「気に食わない」よりも嫌いという感情は抑えられています。