「ジレンマ」と「パラドックス」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「ジレンマ」と「パラドックス」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「ジレンマ」「パラドックス」の違いを分かりやすく説明していきます。

困ったときや、悩ましい選択肢を迫られたときに使う二つの言葉。

ですが、「ジレンマ」「パラドックス」には違った意味が含まれているのです。

「ジレンマ」とは?

二つの相反することの板挟みになることです。

どちらかを選択しなければいけないのですが、どちらを選ぶか決められないときに「ジレンマ」と表現されます。

またその場合、しばしばどちらを選んでも不利益を受けるパターンが多いです。

おもに望ましくない選択を迫られたときに使われる言葉です。


「ジレンマ」の使い方

例文1. 原料が高くなり商品の値段を上げないと赤字になるが、高額になるとお客さんが来なくなる。

どうするべきか、ジレンマを感じる。

例文2. Aちゃんが好きだが、親友のBもAちゃんを好きになってしまった。

恋を取るか友情を取るか、ジレンマに悩まされる。

例文3. 仕事を頑張りたいが育児もしたい私には、この社会はジレンマだらけだ。


「ジレンマ」の語源

もともとはギリシャ語で、「二つ」を意味するdiと、「前提」「仮説」を意味するlemmaを組み合わせた言葉です。

選択肢が三つあるときはdiの代わりに「三つ」を意味するtriが使われて、trilemma(トリレンマ)と呼ばれます。

「パラドックス」とは?

正しそうに見える前提なのに、考えを突きつめると受け入れられない結論になる状態のことです。

一般的には正しいと思われたり、ぱっと見には間違ったところが無い説なのに、推論を進めていくうちに、条件が成立しないことに気がつきます。

つまり「正しそうなのに正しくない」というニュアンスを持つ言葉なのです。

「パラドックス」の使い方

例文1. 上司の命令通りにすれば失敗してしまうが、反対すれば怒られる。

まるでパラドックスだ。

例文2. あなたの言うことはもっともらしいですが、パラドックスではないですか。

例文3. パラドックスは、考えれば考えるほど訳が分からなくなる。

「パラドックス」の語源

もともとはギリシャ語で、「反対」「超える」を意味するparaと、「意見」「概念」を意味するdoxaを組み合わせた言葉です。

そのため日本語では、「逆説」と表記されることもあります。

「ジレンマ」と「パラドックス」の違い

「ジレンマ」「パラドックス」の大きな違いは、その問題が矛盾しているかいないかです。

「ジレンマ」は選びたくない選択肢を選ばなくてはいけない葛藤はありますが、問題になっている選択自体は必ずしも間違いではありません それに対して、「パラドックス」は事実のようでいて事実ではない、という矛盾が必ず含まれています。

前提条件に矛盾があるかどうかが、「ジレンマ」「パラドックス」の違いになります。

まとめ

よく似た場面で使われる二つの言葉ですが、違いをお分かりいただけたでしょうか。

もともとの言葉の意味を知っていれば、日本語での意味を間違えません。

ジレンマは「二つの仮説」、パラドックスは「反対の意見」と考えておけば、簡単に使い分けることができます。