「素封家」と「倹約家」の違いとは?分かりやすく解釈

「素封家」と「倹約家」の違い専門用語・業界用語

お金に関する言葉に「素封家」「倹約家」があります。

このふたつの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「素封家」「倹約家」の違いについて解説します。

「素封家」とは?

「素封家」とは、「多くの財産を有している人」を意味する言葉です。


「素封家」の使い方

「素封家」とは簡単にいえば「お金持ち」のことです。

試算や財産をたくさん持っている人が「素封家」であり「資産家」「億万長者」などと同じような意味合いで使われます。

「素封家」「素封」というのは「封じられていないこと」というのがもともとの意味です。

封建制の時代には身分が上がり領地を与えられることを「封じる」と表現していました。

領地を与えられその土地の支配者になるというのはそのまま「出世」を表していましたが、封じられていないことを意味する「素封家」というのは本来であれば土地を持たない財産や資産のない人をあらわす表現であるのに言葉の意味は正反対です。

これは「素封家」「領地を持っていないのに豊かな生活をしている人」という意味が込められているからです。

現代でも「無職」という言葉は「仕事が見つからず生活が苦しい人」という意味だけではなく「仕事をする必要がないほど多くの財産を持つ人」という意味で使われることがありますが「素封家」も同じような理由で「お金持ち」という意味合いが与えられています。


「倹約家」とは?

「倹約家」とは、「お金や資源をできるだけ使わないでおこうとする人」を意味する言葉です。

「倹約家」の使い方

「倹約家」とは「倹約する人」を意味します。

倹約とは「無駄遣いをできるだけ少なくするよう努力すること」を表す言葉です。

「無駄をできるだけ少なくし出費や浪費を抑えたがる人」「倹約家」であり「限られたお金や資源を無駄なく使う賢い人」というポジティブな意味と「使うべきお金も出し惜しむしまりや」というネガティブな意味のふたつの意味を持つ言葉です。

基本的にはポジティブな意味合いで使われることご多い表現ですが必要なお金さえできるだけ少なくしたがるような悪い意味で「倹約家」が使われることも少なくありません。

「素封家」と「倹約家」の違い

たくさんの財産を有しているのが「素封家」、有している財産を使いたがらずできるだけ支出を抑えようとするのが「倹約家」です。

「素封家」が現在の資産状況を表す言葉であるのに対し、「倹約家」は資産の使い方を指す言葉であり保有している財産とは無関係です。

貧乏でお金がないので支出を抑えようとする人も「倹約家」にあたります。

「素封家」の例文

・『彼はこの辺りでは一番の素封家だ』
・『一台で事業を大成功させ見事に素封家の仲間入りを果たした』

「倹約家」の例文

・『彼は倹約家として有名である』
・『倹約家といえば聞こえはいいがたんにお金を使いたがらないだけのドケチ野郎だ』

まとめ

同じお金に関する言葉でも「素封家」「倹約家」ではまったく意味が異なります。

保有している財産だけではなくその人がどのようにお金を使うかを見てどちらの言葉を使うべきか判断してください。