男らしくてカッコいい人のことを「おとこぎ」があると言うことがあります。
「漢気」や「男気」という漢字が使われますが、どのように使い分けたらいいのでしょうか。
2つの言葉の違いについて紹介します。
漢気とは?
漢気とは、男らしい性格や気性のことをいいます。
漢気の「漢」は本来、「おとこ」とは読みません。
そのため漢気を「おとこぎ」と読むのは使い方としては間違っています。
ただし、「漢」には男という意味があるので、「おとこ」という読み方が少しずつ定着してきました。
これは人気漫画などで「漢」を「おとこ」と読んだことも影響していると考えられます。
「漢」を「おとこ」と認識している人が増えれば、正式な読み方となる可能性もあります。
「漢」が男を表すようになったのは、中国の漢王朝時代に遡ります。
当時、国を支配していた漢民族のことを他の部族が、漢民族の奴らめという意味で漢子といったのが始まりです。
そこから発展して「漢」が男を表す漢字となりました。
男らしいという定義は人によって違いますが、頼りがいがあったり決断力がある、女々しくない等の特徴を持っている人のことを言う場合が多いです。
男気とは?
男気は「おとこぎ」と読みますが、「おとこげ」とか「おとこっけ」と言ったりもします。
男気は、困っていたり苦しんでいる人を見て放っておけずに助けようする性格や気性のことをいいます。
仁義を重んじる義侠心と言い換えることもできます。
自分を犠牲にすることを厭わず、他人を助けようとする精神のことを男気と表現しています。
ただし、「おとこっけ」とか「おとこげ」という場合には、男性がいる気配のことを意味しています。
例えば、「あの娘は年頃なのに男気(おとこっけ)が全くない」といった使い方をします。
小説などで「男気」が出てきたら、前後の文脈などを理解した上で読み方を選択する必要があります。
また、男気の他に女気という言葉もあり、これは女性らしい優しい気性を表しています。
男気は男性だけではなく、女性に使われることもあります。
例えば、「彼女の提案には男気が感じられる」といった使い方が挙げられます。
漢気と男気の違い
漢気は男らしい性格や気性のことをいいますが、男気は自分を犠牲にして困っている人を助けようとする気性のことをいいます。
漢気には自己犠牲的な精神を持っているというニュアンスは含まれていません。
また、漢気を「おとこぎ」という読み方は最近定着したものです。
本来はそういった読み方はしません。
男気を「おとこぎ」と読むのは、常用漢字にも認められている読み方で広く普及しています。
まとめ
漢気はただ男らしい性格のことをいいますが、男気は困っている人や苦しんでいる人を自分を犠牲にして助けようという気性のことをいいます。
自分を犠牲にして人のために行動するといった自己犠牲的な意味が含まれています。
義侠心と言い換えることもできます。