集団の形成方法として「加盟」と「提携」がありますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「加盟」と「提携」の違いについて解説します。
「加盟」とは?
「加盟」とは、「すでにある組織や団体などに集団を構成する一員として入ること」を意味する言葉です。
「加盟」の使い方
組織や団体、グループやチームなど既に存在している集団に新しく入り所属することを「加盟」といいます。
「加盟」の「盟」には「強く約束すること」「固い絆を築くこと」など「結び付きを強める」という意味があります。
「強い結びつきで成り立つ大勢の中に結びつく一員として加わる」のが「加盟」の表す意味合いでありその集団の規約やルールに従い目的のために協力する構成員となることを指す言葉です。
似たような言葉として「加入」「参加」「所属」などがありますが一般的には「~連盟」という名称を持つ集団に加わる場合や一定のルールや決まりが相互に適用される集団に加わる場合に「加盟」という表現が用いられます。
「加盟」する集団の構成員で共有されている約束のことを「盟約」といいます。
盟約にあたる強い約束や目的のない集団では「加盟」という表現は用いません。
「提携」とは?
「提携」とは、「共同で物事を行うために力を合わせ助力すること」を意味する言葉です。
「提携」の使い方
それぞれの独立性は守った上で欠点を補ったり融通したりなど協力関係を結ぶことを「提携」といいます。
相手の力を借りつつこちらも相手に力を貸す関係性が「提携」でありどちらか一方にのみに利益があるような不平等な関係ではなく対等な立場で結ばれる相互関係を表す言葉です。
両者が共同で物事にあたるのが「提携」なので立場や役割の違いはあっても優劣の関係性はありません。
双方の同意のもとで結ばれる対等な立場での関係性なのでお互いにメリットがあるときに成立します。
弱点のカバーや長所の効率的な活用を目的とする「提携」は基本的には1対1で結ばれますが複数で同時に「提携」を結びグループを形成することもあります。
「加盟」と「提携」の違い
「加盟」と「提携」の違いは「集団」です。
「加盟」は集団に入り構成員の一員になることを意味しますが、「提携」は相手と対等な立場でつながる1対1もしくはごく小規模の関係性を指します。
大勢の中の一員になるのが「加盟」、大勢に属すことなく独立した存在として対等な立場で相手と1対1の関係を結ぶのが「提携」という違いで区別されます。
「加盟」には組織や団体などすでにある受け皿に加わりますが、「提携」は既存の受け皿がなく新たに関係性が結ばれるという違いもあります。
「加盟」の例文
・『販売組合に加盟する』
・『国連に加盟したことで国際的にも独立国として認められた』
「提携」の例文
・『海外企業と提携して販売網を強化する』
・『業務提携により生産コストが8%下がった』
まとめ
「加盟」と「提携」はどちらも他との協力関係を表す言葉ですが関係の結び方に違いがあります。
どのような関係性で関わっているのかに注目してふさわしい表現を使ってください。