変化がなくなり停滞する様子を指す言葉として「高止まり」と「頭打ち」がありますがどのような違いで使い分ければよいのでしょうか。
今回は、「高止まり」と「頭打ち」の違いについて解説します。
「高止まり」とは?
「高止まり」とは、「高い水準になってからそのまま下落せず水準を維持し続けること」を意味する言葉です。
「高止まり」の使い方
「高止まり」は物価や株式相場など一定の変化を前提として観測されるものに対して使われる表現です。
大前提として周期的に上下を繰り返したり急騰後に暴落したりといった動きの波が見られるはずなのに「上がったまま下がる様子がなく高い水準にとどまり続けること」を「高止まり」と表現します。
「高止まり」はもともと株式や商品などの相場で使われていた言葉です。
値上がりしたまま下がらず値上がり語の高い水準を基準として新たに相場が形成されるのが本来の「高止まり」の意味合いです。
現在では金融用語から転じて「上がったまま下がらないこと」という意味合いで一般にも広く使われています。
「頭打ち」とは?
「頭打ち」とは、「上昇していたものが限界に達してしまい伸び悩みこれ以上の上昇が見込めなくなること」を意味する言葉です。
「頭打ち」の使い方
背の高い人が天井の低い部屋で立ち上がると高さが足りず頭をぶつけてしまいますが、「頭打ち」とは上昇の行き詰まりをそのよう様子に例えた言葉です。
一般的にはある程度の上昇を見せたあとに停滞した時に用いられる言葉で「本当ならさらなる向上が期待されているのに上昇が見られない」という否定的なニュアンスが含まれています。
「頭打ち」ももともとは金融業界で使われていた業界用語です。
株式相場などで相場の上昇が止まってしまいそれ以上上がらなくなる様子を「頭打ち」と表現したのが始まりですが、現在では金融業界以外でも使われています。
「高止まり」と「頭打ち」の違い
「高止まり」と「頭打ち」はどちらも一定の上昇を見せた後で変化が停滞する様子を表しますが「予想されていた変化」に違いが見られます。
「高止まり」というのは上昇し高くなった後は下がるだろうと予想されていたのに予想に反し下落が見られず高い水準にとどまり続けている様子を指す言葉です。
「頭打ち」は上昇した後さらに上がっていくと予想されていたのに予想に反して上がらず停滞している様子を指します。
高い水準から下がると思ったのに下がらないのが「高止まり」、高い水準からさらに上がると思ったのに上がらないのが「頭打ち」という違いで区別されます。
「高止まり」の例文
・『冷夏の影響で米相場は高止まりを続けている』
・『金融危機に端を発した金相場高騰は3年が過ぎても高止まりが解消される気配がない』
「頭打ち」の例文
・『1万人を超えた当たりで入場車種が頭打ちになった』
・『根本的に経営方針を変えない限り売上は頭打ちである』
まとめ
「高止まり」と「頭打ち」はどちらも観測されているグラフの変化は似ていますが込められているニュアンスは大きく違います。
同じ状況に対しても人によって見解が分かれることは多いので肯定的か否定的か、どのような感情で事態をとらえるかで用いる表現を決めてください。